地域づくりインターン県北エリア活動体験レポート
目次
はじめに~とちぎ地域づくりインターンシップとは
とちぎ地域づくりインターンシップとは、若者世代の力を必要としている地域づくり団体のもとで、地域で何か活動したい若者(高校生から20代社会人)がインターンシップをするプログラムです。地域のキーマンとの出会いや、地域で働く現場を観て自分もやってみる経験、地域で暮らす方の声や地域の課題に実際に触れるなどの貴重な体験ができます。例年多くの若者が参加し、参加者のうち数人はプログラム終了後にも地域の団体と関わり続けています。
このプログラムは、参加エリアを決めるところからスタートします。プログラム参加者は県北エリア・県央エリア・県南エリアから、気になるエリアを選択します。それぞれのエリアでは、福祉や教育、自然環境、観光、情報発信など地域をテーマに活動する団体が受け入れ団体を担っています。参加エリアを選択したら、選択したエリアの受け入れ団体の元で行う半日の活動体験に参加した後に、インターンシップ先を決めるという流れになっています。このレポートでは、2023年度の県北エリアでの活動体験の様子を皆様にお伝えします!
活動体験先①子供たちの自由な学び場・遊び場を体験!キリフリ自然学校
最初の活動体験先は、日光市のキリフリ自然学校(敬称略)。日光市所野にて子どもたちが自由な発想で思い思いに過ごせる遊び場を運営されています。子供たちの遊び場は、通称アジトと呼ばれる広大な自然空間。そこでは、木登りができる木が何本も植えてあったり、自然の中の手作りブランコ(すごく大きい)があったり、穴を掘れる砂場があったり、火おこしができたりといろいろな遊びをすることができます。
今回の活動体験は、実際にアジトにて、子どもたちと一緒に遊ぶというもの。早速アジトに到着後、運営の金井さん(ここでは「ぱーりー」と呼ばれている)とボランティアスタッフの皆さん、今回のプログラム参加者で集まってオリエンテーションをし、普段どんな活動をしているのか、子どもたちとの触れ合いでどういうことを心掛けているのか、今日何をするのかについて共有しました。この日の活動内容は「基地づくり」ということで、広場の木の上にツリーハウスをつくる予定です。始める前から子どもたちの楽しそうな様子が目に浮かぶようです。
オリエンテーションが終わりしばらくすると子供たちが到着し、早速思い思いに活動を開始します。その後、号令がかかるとみんなでツリーハウスを作り始めました。
最初はツリーハウスを作ることに夢中になっていた子どもたちでしたが、時間が経つと、梯子を作るなど、他の遊びを自由に楽しんでいました。そんな子供たちを見守るのが今回のインターン生の役割です。インターン生は、子供たちの主体性に任せ、自由な発想とそこから生まれる遊びを邪魔しないように関わっているようでした。
振り返りの時間では、「子どもたちの自由な発想や主体性」についての感想が多く、子どもたちの可能性を感じ取った時間となりました。
はじめて行ったキリフリ自然学校の遊び場は、想像していた以上に自然が広がっていました。そのような身近にない空間だからこそ、子どもも大人も自分を解放して遊ぶことができるんだろうと感じます。また、子どもたちの意思を優先して、ちょっと無理そうなことにもチャレンジできる(大人はチャレンジを許容する)、大人たちは本当に危険なことから子どもたちを守るという素敵なマインドで運営されており、この環境が子供たちの可能性を広げていることを実感しました。
今回の体験は12:30が終了時間でしたが、終了後も子供たちと遊ぶプログラム参加者が現れるなど、満喫した時間を過ごしたようです。自然体で楽しむことができ、参加者の仲が深まった素敵な体験ができました。
活動体験先②WEBメディアやラジオなど、広報の力で街を元気にする一般社団法人nasu lab.
次の活動体験先は、一般社団法人nasu lab.(敬称略)。nasu lab. は那須町で事業を展開している地域づくり団体で、元地域おこし協力隊の木下愛貴さんが代表を務めています。主に情報発信に関する事業を行っており、代表的な事業には、JR黒田原駅前の空き家を改修して作ったラジオ局「だっぱラジオ」や、那須町への移住に必要な情報から観光に役立つ地域ネタまでリアルなローカル情報をお届けするWEBメディアである「NaSuMo」、那須町のゆるキャラ「くろろとゆめな」の運営などがあります。
この日のメインテーマは黒田原駅前のまちあるきです。栃木県内のJR線のほぼ最北端である黒田原駅に集合し、まずはnasu lab. さんの代名詞の一つである「だっぱラジオ」のラジオ局に集合しました。インターン生と当日の受け入れ担当者の自己紹介を終えた後に、スタッフの鈴木さん(なんと前回の地域づくりインターンシップの参加者。インターン終了後にnasu lab.のスタッフとして働かれています)による案内でまちあるき開始です!
まちあるきでは、黒田原駅前みんなの店や、黒田原まちなか広場などの地元の方の集いの場所や、お菓子屋や味噌屋などの地元のお店、黒田原神社や余笹川ふれあい公園などを見て回りました。
まちあるき後は、参加者それぞれの心に残った風景をシェアし合いました。それぞれ、田舎ならではののどかな風景の写真や、看板や階段などの外観のデザインなど様々なお気に入りの写真がシェアされました。
インターン生は、小さなエリアの中にある、地域を盛り上げようとする人同士の繋がりや、その地域に住む人々の温かさ、魅力的な風景などに気づくことができました。
地域の未来や市民の想いを熱くするシェアスペース矢板ふるさと支援センターTAKIBI
最後の活動体験先は、矢板市の矢板ふるさと支援センターTAKIBI(敬称略)。TAKIBIは矢板市の駅前にあり、移住定収相談窓口、シェアスペース運営、起業・相談窓口など、地域の中でのチャレンジを応援する施設です。この日の活動では、TAKIBIが関わっている高校生団体YAD(Yaita All Directions)の定例ミーティングに参加しました。
まずは、TAKIBIスタッフの四十万さんからTAKIBIの紹介などをしていただき、施設の特徴を掴みます。3番目の活動体験先ともなると、インターン生同士仲良くなっており、最初から良い雰囲気でプログラムが進みました。(今回のインターン生は初回からすごく仲良しでしたが。)
しばらくするとYADの高校生たちが集まり、インターン生もYADの定例会に混ぜていただきました。冒頭では、YADが主催するアウトドアフェスについて、当日実施する高校生カフェの内容共有と、謎解き企画の景品についての話し合いを行いました。話合いは複数グループに分かれ、それぞれのグループで考える形式です。地元を盛り上げたい高校生が多いため、矢板ならではの景品アイデアがたくさん出ました。
次に、YADのメンバーがイベントを実施したいとのことで、イベントの内容について参加者全員で話し合いました。こちらもグループに分かれての話合いです。YADの四十万さんが用意したプロジェクト計画シートを使ったことで話合いが促進されました。
定例会の最後に、プログラム参加者による活動の振り返りを実施しTAKIBIでの活動体験を終了しました。参加者にとって自分達よりも若い世代が地域活動を頑張っている様子を見ることができて関心と刺激をもらった日となったようです。
最後に
活動現場を実際に見学でき、地域づくりの多様性に触れる機会になりました。このプログラムの良いところは、本格的なインターンシップを始める前に、活動体験を通し活動場所や地域を見ることができる点です。これからインターン生によるインターン生が始まります。自分自身は、インターン生にとって、楽しく、学びになる地域づくり体験ができるようにサポートしていきます!