平和を伝えるイベント『よいまち宮とうろう』に参加してきました!
みなさんは、『宇都宮空襲』を知っていますか?
「宇都宮で空襲なんてあったの?」と思われた方もいるかもしれません。
宇都宮空襲とは、第二次世界大戦中の1945年7月12日、現在のJR宇都宮駅から東武宇都宮駅の間で起きた米軍による空襲のことです。その結果、宇都宮市及びその近隣地域はほぼ壊滅状態となり、死亡者数620名以上、負傷者数1128名以上を出すという大きな被害を受けました。
今回は、7/12(水)にtonarie1階ララ・ポケットで行われた、宇都宮空襲と平和を考えるイベント『よいまち宮とうろう』に参加してきたので、その様子をお伝えします!
『よいまち宮とうろう』とは?
宇都宮空襲の認知度向上、平和について考えることを目的として開催されているイベント。
宇都宮空襲の日に合わせて毎年7月12日に開催されており、今年で2回目の開催となる。
平和を伝える市民団体『ピースうつのみや』の高齢化を受け、活動の一部を引き継ぐ形で宇都宮共和大学まちづくりサークルが主催しています。
オープニング
オープニングは宇都宮共和大学アコースティックサークルの代表、久保 太功磨(たくま)さんによる演奏からスタート。ギターとパワフルな歌声で会場を盛り上げてくれました。
生の音楽が聴こえて「なんだろう?」と興味を持って立ち止まっている方もいらっしゃいましたよ!
ステージの周りには、地元の小学生が制作した『子どもとうろう』や『きぶなとうろう』が鮮やかに装飾されていてとても綺麗でした!
体験者のお話
『ピースうつのみや』の事務局長で空襲当時1歳だったという佐藤 信明(しんめい)さんが、当時の体験をお話してくださいました。
わずかな記憶を辿りながら、「戦争は絶対にダメだ」と語気を強めてお話されている様子に胸を打たれました。
参加者には子どもたちも多く、資料を確認しながら真剣に佐藤さんのお話に耳を傾けていました。佐藤さんのお話から当時の凄惨な光景を知り、ライターの私も顔をしかめてしまう一面もありました。
年月の経過と共に戦争体験者の数が減っていく中、直接このようなお話を聞ける機会はとても貴重であり、このイベントの意義を感じました。
空襲紙芝居
次に行われたのは、朗読家である青木 ひろこさんによる『空襲紙芝居』の読み聞かせ。
『ピースうつのみや』が体験談を元に制作した紙芝居のストーリーに青木さんの演技力が加わり、その世界にいるかのような臨場感が会場を包み込んでいました。
紙芝居の絵によって子どもたちでもわかりやすい内容で、戦争の恐ろしさが伝わってきました。『田川』や『二荒山神社』など馴染みのある名称も出てきて、「本当にこのまちで起きた出来事なんだ」ということがより身近に伝わってきました。
追悼演奏
プログラムのラストは、井上 智美さん(エレクトーン)栗田 智水さん(フルート)による追悼演奏。
フルートの美しい音色とエレクトーンの多彩な音に引き込まれました。吹奏楽曲から、夏川 りみさんの『涙そうそう』など耳馴染みのある曲も披露されました。
ふと見渡すと、あたりも暗くなり、とうろうの灯がより一層暖かく輝いていて素敵でした。最後に会場のみなさんからのアンコールを受け、坂本 九さんの『上を向いて歩こう』を演奏し、明るい雰囲気で締めくくられました。
主催者からコメントをいただきました!
主催者である、宇都宮共和大学まちづくりサークル代表の藤田 虎流(たける)さんと副代表の富岡 涼介さんにお話を伺いました。
今回の『よいまち宮とうろう』を開催してみていかがでしたか?
『宇都宮にも空襲があったという事実』と『平和の大切さ』を伝えたくて、この数ヶ月間準備してきました。今年は、より多くの子どもたちに来ていただけて嬉しかったですし、このイベントの意義があったと感じています。
戦争を体験したことがない私たち大学生が主催することで、同じように戦争を知らない子どもたちの目線に立ったイベントが企画できたと思います。また、私たちのような若い世代が中心となり平和について考えることで、後世に伝えられるような仕組みづくりができたと考えています。
ライターの私も初めて参加しましたが、宇都宮空襲について深く知ることができ、平和の大切さを再認識させられるイベントでした。
この事実をどのようにして後世へ伝えていくか、私たちも考えなければなりません。
戦争について考えると暗くなってしまいそうですが、音楽のおかげもあってか明るく前向きな雰囲気だったのがとても印象的でした。
来年も7月12日に開催を予定しているそうなので、ぜひ足を運んでみてくださいね✨