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レポート

出会いの中で見つけた「伝える」ことの本質 -実践型インターンシップレポート-

レポート

プロフィール

多摩美術大学 美術学部 芸術学科 2年 井上 凜(いのうえ りん)
高知県出身の19歳。芸術/食文化をキーワードに興味関心を追求しており、5万字のレポートを書くほどのアイスクリーム好き。学内講演会の企画運営、フリーペーパー制作、取材などの経験を通して伝えることの楽しさを知る。現在は都内の書籍制作会社でアルバイトを行いながら、ライティング・デザイン力を高めるべく日々勉強中。“ここにしかない価値”の発見と発信を目指し、地域の活動にも幅広く関わる。

インターンシップ内容

地域ベンチャー留学より、NPO法人とちぎユースサポーターズネットワークのインターン生(あしかもメディアのライター)として活動を行いました。

『とちぎのシゴト』の記事制作(取材・執筆・編集)と記事公開
取材先:株式会社ビルススタジオ、株式会社宇都宮コミュニティメディア、一般社団法人えんがお
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SNS(Instagram・Twitter・Facebook・LINE)での情報発信
例:記事のリリースと拡散・栃木県内のイベントやお店に関する情報・ライターの活動紹介

活動期間

2022年2月14日(月)~3月30日(水)
※2月はオンライン、3月は現地での活動

インターンシップに参加したきっかけ

私は将来、地元・高知県の魅力を発信できるような仕事をしたいと考えています。そのため、以前から自分が地方でどのような貢献ができるのかを模索したいと思っていました。このことに加え、大学での活動を通してライターという職業に興味をもち、自分の取材・ライティング・編集スキルを磨きたいとも思うようになりました。

そんなときに出会ったのが、あしかもメディアです。ライターの業務に携わることができることだけでなく、あしかもメディアが目指す若者が輝ける地域の姿に強く惹かれました。その記事の数々には、情報だけでなく栃木県に住む方の想いが詰まっていて、だからこそ、それまで栃木県に縁もゆかりもなかった私にもその魅力が伝わってきました。

こうしたことから、「栃木県でもっとたくさんの人と出会ってみたい」「私もこんな記事が書けるようになりたい」という思いを胸にインターンに参加しました。

活動を通して印象に残ったこと

活動を通し、様々な方にお話を聞くことができました。取材の初めは緊張してしまうことも多かったのですが、熱のこもったお話をしていただいていただく過程で最後には思わず前のめりになって聞き入っていることが何度もありました。

中でも印象深いのは、一般社団法人えんがおの取材にて高齢者の孤立の現場とそこに寄り添うスタッフさんの姿を目の当たりにしたことです。その逼迫した現場を前に、「自分はここで働き課題に向き合い続けている方々の何を理解でき、何を伝えられるのだろうか」という疑問を強く抱きました。取材を通して語られる言葉からではなく、実際のお仕事へのまなざしからも、そこにかけてきた想いや覚悟の大きさを知ることができたからです。

決められた文字数で文章を書き、それを記事にすることで伝えられるのは、取材を受けてくださった方々が生きてきた物語のほんの一部にすぎません。だからこそ、「何を伝えたいのか」「誰に伝えたいのか」「そこに自分はどんな視点を込めるのか」といったことに自覚的になる必要があるということを痛感しました。記事にできない部分や伝えきれない部分に敬意を払うこと、物事の裏側まで思いを巡らせることの大切さを学ぶことができた経験です。

活動を通して捉えた課題と学び

記事をより多くの方に届けるにはどうすれば良いのかを考えることが難しかったです。きっかけや出会いの提供によって栃木県の素敵なヒト・コト・モノ・シゴトを知っていただくためには、ただ魅力を伝える記事を書くだけでなく、それを発信する力が必要になってきます。最初は記事執筆のことばかりを考えてしまいがちだったのですが、次第に書くことと並行して、SNSでの情報発信や見やすさを考えたデザインなどを意識することができるようになりました。そして、これらを両立させて初めて「伝える」ことができるのだということに気づかされました。SNSを通し、記事情報だけでなく栃木県のお店やイベントに関する情報を発信できたことは、地域や若者にとって身近なメディアを目指すためにも行って良かったなと感じています。

インターン生・吉田さんが企画し3月24日に開催されたイベント『あしかもと焚き火』では、ライターと読者さんとの関わり方が一方的なものから双方的なものになるきっかけが生まれました。これからも、新しい発信の在り方を模索し、あしかもメディアが栃木県にもっとたくさんの方の笑顔があふれるきっかけをつくっていってほしいです。

これからについて

活動を経て、実際に地域の人の声を聞きそれを発信することの楽しさに改めて気づかされました。今後はボランティア活動などを通し積極的に地域と関わっていくことで、近い目線をもって地域の魅力について考え、今回の学びを継続して深めていきたいと考えています。

また、記事自体だけでなくSNSでの情報発信やデザインなど記事の見せ方も重要であると学んだことで、情報を伝える際の媒体の違いについても関心を持つようになりました。書籍制作会社でのアルバイトを行いインターネットとは別の観点から「伝える」手法を学ぶことを通して、自分の表現の引き出しを増やしていきたいと思います。

今回の経験は、ライターとしてのスキル以上に、一つひとつの出会いや発見に目を向けることの豊かさを知るきっかけを与えてくれました。今まで訪れたことのなかった地・栃木県で得た経験を活かし、普段何気なく過ごしている日常にもまっさらなまなざしを向け、そこから見えてくるものを大切にしていきたいです。