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〈ボランティア募集中〉宇都宮市上河内地区で行う❝ゆず❞を活かしたまちづくり-上河内地区まちづくり協議会

読者のみなさんは、栃木県といえば何を思い浮かべますか?

いちご、餃子、かんぴょう、牛乳…。

私は、こんなものが思い浮かびました。

もちろんご存知の方もいらっしゃると思うのですが、その他にも実は、栃木県には❝ゆず❞がたくさん採れる地域があるんです!

今回は5月末に宇都宮市内で行われたフェスタmy宇都宮にお邪魔し、上河内地区まちづくり協議会の方々にお話を伺いました。

取材に応じてくれたのは、会長の小嶋 理男(こじま )さん事務局長の阿部 久夫(あべ ひさお)さんのお二人です。

お二人は上河内地区市民センターの方々と協力し、ゆずを使った商品開発に取り組んでいます。

ゆずでまちおこし!でも、食べきれなくなって…

上河内地区は昔からゆずが豊富に採れたそう。

ある時、柚を使ってまちおこしをしようと各世帯に1本ずつゆずの木が配布されました。

その結果、上河内地区ではさらにゆずが増え、今では至る所でゆずの木が見られます。

ところが、ゆずが増えたことである問題が生まれました。

それは、『食』だけでは消費しきれなくなり、処分しなければならないゆずが出てきてしまったことでした。

『食』で消費できる量はたかが知れているんです。私たちは、「どうにか食べきれなくなった柚を上手く使えないか」ということを幼い頃から考えていたのですが、中々その方法が見つかりませんでした。その頃、たまたま上河内地区市民センターの方がお声掛けくださって、協働で『ゆずのモイストポプリ1』を作ることになりました。私たちのために作り方を調べて教えてくださって本当に助かりました。実際に作ったものを地域の方々にお配りするとこれまでなかった活用方法に皆さん大変喜んでくださいましたね。

まちおこしのために増やしたゆずが食べきれなくなったことがきっかけだったんですね。

そうなんです。ゆずは鈴生りに生るときもあるのに、他の果物のように一度にたくさんの量は消費できないんですよ。薬味に使ったり、料理にちょっと添えたり。

たしかに、多くても1回の食事で1個くらいですかね。

そうそう。だから、本当に食べ切れなくて。上河内地区にある羽黒山って知ってますか?

初めて聞きました!

羽黒山は、天気が良い日には富士見の穴という穴から富士山が見える素敵な山なんです。羽黒山では、毎年11月に梵天祭というお祭りが開催されていて、上河内地区ではその日に合わせてゆずを収穫し、お祭りに来た人に買ってもらうという伝統があります。そこでたくさんのゆずが消費されるのですが、それでもまだまだ余ってしまうんです。

本当にたくさんの柚があるんですね。柚でいっぱいの上河内地区の風景、とても気になります!

宇都宮市に埋没しないまちづくり

上河内地区は元々上河内町という一つの町でしたが、平成19年に宇都宮市と合併して上河内地区となりました。

合併後はより一層上河内独自の魅力にこだわり、まちづくりを行ってきました。

実は、上河内地区の他にも栃木県にはゆずがたくさん採れる地域があるんです。でも、ほとんどの地域が『食』を中心に活用しています。上河内地区でも食材として使うことも考えましたが、他でやっていることを追随してやっても意味がないかなとも思いました。
それで、モイストポプリや染め物のような『食』以外の活用をすることで、❝上河内地区ならではのまちおこし❞をすることになりました

そうだったんですね。そうなると、上河内地区市民センターの方々の力は大きかったのではないでしょうか。

本当にそうです。上河内地区市民センターの方々の協力無しでは実現できなかったですね

合併当時から私たちを含め町全体で『宇都宮市に埋没しない上河内地区にしたい』という想いを大切にしています。今はこの想いをもとに地域ビジョンをまとめ上げ、それに沿ってまちづくりを進めているところなんです。このゆずを活かした活動は、上河内地区にすでにある資源を見つけ出してそれを素材とし、PRしていこうという取り組みの一環なんです。ゆずは上河内地区に出てきた❝最後の宝❞だと思っています

❝最後の宝❞。素敵な言葉ですね!確かに、合併するともともとの町の特色って目立たなくなってしまう印象があります。

そうなんですよね。上河内地区ではより多くの方に魅力を知ってもらうために、『梵天の里かみかわちマップ』というものを作成したんです。このマップでとにかくたくさんの方に魅力を知ってもらって、上河内地区の人口が少しでも増えてくれたら嬉しいです。

このマップにも柚のことは書かれているんですか?

ゆず園のことが載っていますかね。ゆず園は羽黒山の後ろにあるんですけど、約200本の柚の木が植えられているんです。

200本ですか!?想像しきれない量ですね。

とにかく、本当にたくさんあるんです(笑)

鮮やかな色の理由はこだわりの素材に!

初めてゆずの染め物を見た時、とても鮮やかな色味に驚きました。

お二人の話によると、そこには素材からのこだわりがあるようです。

植物の染め物といえば玉ねぎがぱっと思い浮かんだのですが、ゆずの染め物って中々珍しいですよね。

そうなんです!私たちもこれはクリーンヒットだなと思っています(笑)

それから、鮮やかな色味にも驚きました。もっと茶色っぽいのかなと思っていたので。

ありがとうございます。色味には私たちも自信を持っているんですよね!

そうなんです。特に女性の方に喜んでもらえるんじゃないかなと思っています。実はこれらの染め物は、素材からこだわっているんです。様々な素材がありますが、試験所で調べてもらった結果、絹が一番良いみたいなんです。素材によって色の入り具合や洗濯をしたときの色落ちの具合などに差が出てくるんです。

なるほど!細かいところまでこだわっていらっしゃるんですね。本当に植物で染めたとは思えない可愛らさと鮮やかさが素敵です。この色味の違いは、何から出ているんですか?

染める時間で濃さに違いを出せるんです。良かったらこれどうぞ!

そう言ってお二人が差し出してくれたのは、ゆず染めの実際の作品です。

本当に鮮やかな色で可愛い…。

え~!ありがとうございます!『黄色に恋し 香りに焦がれ かみかわち いろはゆず』これはなんですか?

これはですね、地域の方々から募集した上河内地区のゆずのキャッチコピーなんです。

キャッチコピーまで可愛らしいですね!

この色と、ちょっと強いですけど爽やかなゆずの香り。このキャッチコピーで様々な人に上河内地区のゆずに興味を持ってもらいたいですね。

ゆずを上河内地区に来るきっかけ、帰るきっかけに

お二人が取り組んでいるこの活動には実はまだまだたくさんの目標があるようです。

その一つが、進学や就職をきっかけに上河内地区を出てしまった人たちにまでこの活動を届け、ふるさとを思い出してもらうこと。

「地区を大切に守りたい」という気持ちが心から伝わってくるお話でした。

宇都宮市の方に、「上河内地区ってどこにあるんですか?」と言われてしまうことが未だにあるんです。上河内地区の良さをもっと発信して、地区外の人にももっと来てもらいたいと思っているのですが、魅力がないと誰も来てくれないんですよね。せっかく特産であるゆずを活用していたり有名な神社のある羽黒山があったりするので、もっとアピールを強化していきたいと思っています。

ゆずの商品開発は、その一環でもあります。まずは『上河内地区に行けばゆず染めができる』と言う風に、ゆずが上河内地区に来るきっかけになるよう、その第一歩としてこの活動を頑張っていきます

他にはない活用をすることで、上河内地区だけの魅力が生まれるということですね!

はい。今の活動はまさにデビュー戦です。実は、まだまだ色々なことを考えているんです!例えば、ゆず染めの体験教室の開催や空き家を活用した工房の開設など。そういったことで上河内地区をもっと発展させていきたいです。

それから、上河内地区から離れてしまった方が沢山いるのでその人たちが『今、上河内地区ではこんなことをやっているんだ』と、ふるさとに帰ってくるきっかけとしても発展させていきたいです

総合力を高め、より幅広い活動を目指す

続いてお二人に今後の活動について聞いてみると、なんだかわくわくするお話が聞けました!

そして、コロナ禍で行われていた心温まる素敵な取り組みも教えていただきました。

今後はどのような活動を予定されているのですか?

もっと様々な方法でゆずの活用を展開していきたいと思っています。実は、既にいくつかコラボレーションの声を頂いているんです。例えば、化粧水やスイーツとかね。お陰で、少しづつですが上河内地区としての成長を実感できています。今はまだ、ゆずの染め物を上河内地区の魅力として確立していくために頑張っているところですが、いつかはより幅広い方法でゆずの活用をしていければと思っています

なるほど!多様なコラボレーションが考えられますね。

あとは、この活動をより多くの方に知ってもらうためにも頑張っていきたいです。実は、このコロナ禍の中で医療従事者の方々に感謝の気持ちを込めて、ゆずのモイストポプリを病院へ寄付しました。地域の方々に呼びかけたところ、約200世帯が協力してくれて約400個のモイストポプリを寄付することができました。材料があれば自宅でも簡単に作れるものなので、今後もたくさんの方に体験してもらってゆずの魅力に触れてもらいたいです。

上河内地区は元々小さな町だったので、総合力でやっていかないと中々勝てないんです。そのため、日頃から地域の方々の協力には本当に感謝しています。

コロナ禍である今の時代、総合力を高めていける地域って素敵ですね。

そうですね。そこを強みに頑張っていきたいですね。

ボランティア募集について

総合力を高めてまちづくりをしていきたい。

そう語るお二人は、この活動の担い手を探しているというお話もしてくださいました。

最後にボランティア募集について詳しくお聞きしました。

今回ボランティアの方を募集しているということですが、どんな方と一緒に活動していきたいですか?

私たちは、この活動の将来の担い手を探しているので、長期的に関わってくださる方がいてくれると嬉しいなと思っています。やはり、いくら頑張っても担い手がいないと元も子もないので。

あとはゆずの活動に関わらず、まちづくりにしっかりと関わってくださる方ですね。こちらからのお願いだけでは継続が難しいものだと思うので、「やってみたい!」「もっと良くしたい!」という気持ちのある方がいいですね。

ボランティアの方はどのような活動をする予定なのでしょうか?

商品企画から制作まで、幅広い活動に参加してもらう予定です

最後に、ボランティアに興味のある方々に伝えたい魅力はありますか?

それは何か考えていかなければならないですね。とにかく参加してくださる方への歓迎の気持ちは大切に活動していきます。

今のところないんですよ。私たちの宿題ですね(笑)気持ちを伝えることももちろん大切ですが、もっと喜んで貰えるようなモノや活動を考えていきたいですね。

みなさん、いかがでしたか?

食べきれなくなったゆずを、上河内地区ならではの方法で生かしていく

合併して宇都宮市となった旧上河内町では、大きな町の中でも自分たちの色を失わないよう、地域全体で協力してまちづくりに取り組んでいました。

この記事を読んで上河内地区でのまちづくり活動やゆずの商品開発などに興味を持った方は、以下のお問合せ先からぜひご連絡くださいね🙌✨

お問合せ先
上河内地区まちづくり協議会
住所:栃木県宇都宮市中里181-3
電話(上河内地区市民センター宛て):028-674-3153(平日午前8時30分~正午)、028-674-3131(平日正午~午後5時15分)