【iDEA→NEXT卒業生インタビュー】NPO法人キーデザイン 土橋優平さん
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iDEA→NEXT2015にてグランプリ・yuinoma賞(企業賞)を獲得した「NPO法人キーデザイン」代表理事の土橋優平さんに、これまでの歩みや今後の展望についてお話を伺いました。
-土橋さんのこれまでの経歴について教えてください-
2012年に地元青森県八戸市から宇都宮大学農学部に入学し、3年生の時に大学休学。とちぎユースサポーターズネットワークでインターンをしながら学生と社会を繋げる団体“Be”を発足し活動開始しました。
2015年のiDEA→NEXTから2年後には大学を自主退学し、任意団体だったBeを「NPO法人キーデザイン」として法人化し、現在に至っています。
緊張するインタビュアー学生に対し、「甘いものが大好きなんです」と気さくに話を聞かせてくれる土橋さん。
-大学を休学したり、自主退学したりすることにためらいはなかったのですか?-
当時自分がやりたいと思っていたことと、所属する学部での学びがリンクしなかったんです。自己実現の最短距離と思えなかったので、ためらいはあまりなかったですね。
とはいえ在学中に経験したことの学びは大きくて、様々な現場で出会った大人たちから生き方や働き方についてたくさんのことを吸収しました。
今も日々学ばせていただいているという感覚は同じで、在学中と今では学び方が少し変わっただけのような気がしています。
-社会人になった今でも学ぶことは多いですか?-
そうですね。大学生のころは授業に出て、学期末にテストを受けるというルーティーンでした。
今は事業を運営する毎日が勉強の連続だし、現場での実践は常にテストを受けているような感覚です。
「お前はちゃんと人を笑顔にできるのか」って社会に試されているような。
たくさん失敗し、成長し、遊ぶように楽しみながら仕事に向き合えていますね。
学術的な学びという意味では、今になって大学などの専門機関でプロから学びを得たいと思うことはあります。現場の学びも教室の学びもどちらも大切だし面白いんだなって最近は思います。
-取り組んでいるプロジェクトの立ち上げの経緯と概要を教えてください-
団体立ち上げのきっかけは、自分自身がボランティア活動に参加したり素敵な経営者と会う経験をしたりする一方で、身の回りの学生が学外の大人と繋がる機会が少ないことに問題意識を感じたことです。
当時趣旨に賛同してくれた大学の仲間数人とBeを立ち上げました。
当時は「繋ぐ」こと自体を目的にして活動していましたが、活動していく中でゴールは繋げた先の学生の変化や成長であることを強く感じ始め、さらに推進力を上げるためにキーデザインに名前を改めて法人化しました。
現在はキーデザインで8つほどの事業をお仕事としてやらせていただいています。
「大学生」と「社会」を繋ぐことをテーマにしたプログラムの企画運営と高校生が自分に自信を持てるようになることを目的にしたワークショップを2本を柱とし、大学生チームによる宇都宮市のプロモーションドラマ制作プロジェクトのアドバイザーや宇都宮大学の卒業生のインタビュー、講義演習科目の運営サポート等を行っています。最近ではとちぎユースとも一緒に仕事をさせてもらっています。
高校生と大学生が協力しながら料理を作るワークショップや多世代交流カフェなど、聞いているだけで楽しくなる様々な構想を聞かせてくれました。
-キーデザインという名前にはどんな意味が込められていますか?-
どんな若者であっても、本気になれるものやワクワクできるものは必ずあって、そんな学び・気づきにたどり着くためには、人それぞれの異なる“鍵”となるきっかけが必要だと思うんです。
世の中のカギはどれも一つとして同じものはありませんよね。キーデザインの作るカギもそうです。
一人ひとり異なる道筋や機会のあり方を、事業を通してデザインしたいと思ってキーデザインという名称にしました。
-iDEA→NEXTに挑戦した時のことを教えてください-
ユースとは応募前からインターンやボランティアなどを通して関わりがあって、スタッフに勧められて挑戦しました。
プログラムに参加する中で、自分がもつ事業アイデアと想いに全力で向き合い応援してくれる大人の存在をこれまで以上に強く感じ、頑張らねばという気持ちが強くなりました。
アイデアプランを実現可能なものにするために自分の根っこの想いを深堀して問いかけてくださるのですが、その問いの質の高さが自分の掲げるミッションと深く向き合うチャンスをくれて、人間としても大きく成長できたと思います。
-これからしていきたいことがあれば教えてください-
栃木に来て本当にたくさんの大人たちにお世話になってばかりで、今の自分があるのは皆さんのおかげなんだなって、話していて改めて感じます。
事業を通して今の自分を作ってくださった方々に恩返しをしたいという想いが強くあります。
ただその一方で、32歳で地元青森に戻りたいとも思っています。
-栃木で起業しながらも、地元に戻ることを考えているんですね-
iDEA→NEXTのファイナルプレゼンテーションの会場に地元から母が見に来てくれていたんです。
グランプリを取ったときに母が感動して涙しているのを見て、表彰される舞台の上で「10年後には生まれた土地に帰って恩返ししたい」
そう思ったんです。
だからその舞台に立った歳から10年後にあたる32歳。この頃までにはキーデザインを自分が離れても継続可能な形に育てて、身に着けたノウハウを生かして青森に貢献したいと思っています。
若者が自分をさらけ出せる場所をつくるという想いは、現場が変わっても持ち続けていきます。
最後は留学生インタビュアーの地元で流行っているピースサインで集合写真。土橋さん、ありがとうございました。
※この記事は、作新学院大学様の1日インターンシップ受講生の皆さんとインタビューさせていただいた際の話を基にまとめられたものです。