【しもつけクエストSTAGE2 第1回 】地域コーディネーターの役割と必要性
今年度のしもつけクエストは?
しもつけクエストは「まちづくりってワクワクして楽しいものだよ!」ということを伝えたくて、2019年度から始まった企画です。
同じような興味関心を抱く人とつながることで仲間が増えていく。仲間と一緒に学び、仮説を立て、実践して経験を積んでいく。まるで冒険しているかのようにワクワクしながら成長していくことができます。
今年度は全3回の「地域コーディネーター養成講座 基礎編」を開催します!
ところで、皆さんは「地域コーディネーター」という言葉を聞いたことがありますか?
何か新しいことを始めるときや、地域課題を解決するのって1人だと難しいですよね。そこで、地域内外の色んな人たちと協力して活動するのですが、立場や環境が様々なので思うように進まないことがあります。
そんなときに人と人、人と地域をつないで力を発揮するのが、地域コーディネーターです!
「新たな出会い」を生み出す場には欠かせない存在となっています。
どんな役割で、どんなことを心がけて、どんな活動しているのか。地域で活躍する講師の方々から教えていただきながら、地域コーディネーターのイロハを学んでいきましょう。
今回のしもつけクエスト
8月20日(水)に今年度第1回目の「しもつけクエスト」がオンラインで開催されました。
テーマは「地域コーディネーターの役割と必要性」についてです。
大学生や会社員、下野市の地域おこし協力隊など様々な人が参加。下野市在住の人だけでなく、宇都宮市、小山市、茂木町などの県内各地、さらに北海道や富山県などの県外から参加してくれた方々もいました。
今回の目標は、地域コーディネーターのイメージを深めること。講師に「※1 NPO法人 ETIC.」の伊藤さんをお招きし、地域コーディネーターの役割や必要性、心構えについて学んでいくことになります。
初めに、下野市総合政策課の島田さんから、下野市の魅力と開催主旨の説明がありました。
「下野市は医療の街としても有名で、犬も歩けば医師にあたると言われるほど。農作物も盛んで、かんぴょうの生産量は日本一! たくさんの魅力があるので下野市の外に広げていきたいです。地域の人と人をつなぐ中間支援組織の立ち上げを目指しているので、しもつけクエスト通じて、下野市で何かをやりたいという人が出て来てくれたら嬉しいな」
※1 起業家のような人材を世の中にたくさん送り出したい、生み出したいという想いから東京を拠点に全国で活動するNPO法人。企業や地域へのインターンシップのコーディネート、地域で新しいことを始めたいローカルベンチャーや、社会課題の解決をしたい社会企業家の育成などを行う。
関係人口と地域コーディネーター
その後、講師の伊藤さんによる講座がスタート!
地域コーディネーターは幅広い役割を期待されていることから、講座内では「プロジェクトに対して地域内外の人材資源を繋いで、ことを起こして伴走する人」と定義して話が進みます。
まちづくりをはじめとする地域の活動には様々な人が参加しています。その中でも「関係人口」と呼ばれる人たちがキーパーソンとなります。
「関係人口は、地域の外に住んでいて、下野市に関わってくれる人みたいなイメージです。なので、地域コーディネーターは関係人口とも密接に関わっていますね」
では、どのような人たちが関係人口になるのでしょうか。「NPO法人 ETIC.」が取り組む「地域ベンチャー留学」を例にイメージをさらに深めていきます。
「地域ベンチャー留学」は大学生が長期休みを利用して、地域に住み込み、事業者の方々と地域の課題解決をするインターンシップです。地域の魅力を知るために参加する学生や、経験のために地域と関わる学生など目的は様々です。
関係人口には様々な想いを抱いている人たちがいて、学生や社会人など幅広い層の人たちが地域に関わっているようです。
地域コーディネーターの役割
続いて、実際にプロジェクトを進めるときの地域コーディネーターの役割を考えます。プロジェクトを進めるときに、何をしたいのか、どう関わっていきたいのかを設計して提案する「プロジェクト設計」も大事な役割になります。
「プロジェクト設計」を考えるために「地域ベンチャー留学」で学生を受け入れた企業の例を動画で視聴。その後、「インターンシップ成功のポイント」について意見交換をしました。
参加者「社長のスタンスと学生の熱意が上手くかみ合っていました。地域コーディネーターの設計したプロジェクトがお互いのニーズをしっかり汲んでいたからだと思います」
講師の伊藤さん「コーディネーターはやりたい人と、受入先の両方の目的をすり合わせて伴走していくのが大事なんです。色んなプロジェクトに様々な人が関わることで、地域のまちづくりが促進され、課題の解決が加速し、新しい事業が生まれていく。応援してくれる人が増えるので地域にとってプラスですよね」
適切なプロジェクト設計をすることで、受入先と関係人口の両方にメリットが生まれていくようです。
地域コーディネーターの心構え
最後に、地域コーディネーターの心構えを考えるために、地域産業の活性と人材育成で街を元気にする活動を行う団体の例を動画で視聴。地域コーディネーターへのインタビューから、心構えを学びました。
講師の伊藤さんが、地域コーディネーターとして大切なスタンスを3つにまとめた後、地域コーディネーターがこれからも必要とされる存在であることを参加者に伝えました。
1.実施目的に対して誠実に向き合う
2.人材・地域の双方が成長する環境づくり
3.学びを促進するための適切な距離感
「何かと何かを結びつけて新しい価値を生み出していくのは色んな場所で求められていると思います。価値観が合わない人同士が結びつくには間に入る人が必要ですよね。地域づくりの中でも色んな想いをもって活動しているから、繋いでいく役割は求められています」
参加者の声
参加者からは以下のような感想をいただいています。
「知らなかった分野を知れて大変面白かった」
「どうしたら地域コーディネーターになれるのかな」
「今回ご紹介いただいたインターンシップ事例以外の活動にも興味がわきました」
「参加者同士がお互いのことを知るための工夫があると嬉しい!」
また、地域の活動に意欲を示す声もありました。
「栃木ブランドを作りたいな」
「日常生活の中で課題解決につなげることができるような風土づくりをしてみたい」
「小学校跡地の活用をやってみたい」
今回の参加者の中にもやりたいことを抱いている人はいます。地域コーディネーターが増えれば、下野市を舞台に新たな取組みがどんどん生まれていきそうですね。多様な働き方ができる現代では、中立的な立場で伴走する役割の人は必要な存在です。
次回のクエストも一緒に楽しみましょう!
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主催:下野市
ゲスト講師:伊藤淳司さん(NPO法人ETIC. ローカルイノベーション事業部事業部長)
事務局:NPO法人 とちぎユースサポーターズネットワーク
【次回の開催】
日時:9月10日(木曜日)午後7時30分~午後9時30分
会場:ZOOM(オンライン)
ゲスト講師:若松佑樹さん(株式会社えぽっく 代表取締役)
テーマ:「茨城県の先輩コーディネーターに学ぶ 地域に人を巻き込み、変化を起こす取り組み」
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この記事を書いた人
藤本 尚彦
一般社団法人カゼトツチに所属。居場所を増やすこと、個人や団体の想いを地域の方々に届けることをテーマに活動中。
「地域の課題に取り組む方々の想いを届けて、協力者を増やしたい!」