言葉を紡ぐ難しさと、幸せを感じた1年間 -実践型インターンシップレポート-
プロフィール
宇都宮大学 地域デザイン科学部 コミュニティデザイン学科 2年 吉田 梨央(よしだ りお)
福島県二本松市出身。大学ではまちづくりやコミュニティデザインについて学ぶ。高校生の頃に『地域の魅力を伝える活動』を行っており、「大学生になっても地域の良さを言葉を通して伝え続けたい」という想いから、あしかもメディアのライターとして活動。
インターンシップ内容
NPO法人とちぎユースサポーターズネットワークのインターン生(あしかもメディアのライター)として活動を行いました。
◆あしかもメディアの記事制作(取材・執筆・編集)と記事公開
作成記事:計10記事(終了したイベント・プログラム記事を含む)
◆SNS(Instagram・Twitter・Facebook・LINE)での情報発信
例:記事のリリースと拡散・栃木県内のイベントやお店に関する情報・ライターの活動紹介
◆読者と繋がるイベントの開催
例:2022年3月24日『あしかもと焚き火』の企画・運営
活動期間
2021年7月~2022年8月
インターンシップに参加したきっかけ
大学1年生の空き家改修のボランティアに参加した際、代表の岩井さんとスタッフの森谷さんに出会いました。その時、地域の素敵なヒト・モノ・コト・シゴトを発信する『あしかもメディア』についての話を聞き、「ライターとして地域の魅力を言葉で発信したい」と思ったことがきっかけです。
また、私は宇都宮大学地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科に所属しており、「実際のまちづくりの現場に出て学びたい」と強く感じていました。特に、地域の中で新しいことに挑戦している人や面白い取り組みに出会いという気持ちが強くありました。あしかもメディアでは取材や記事の作成を通して実際に地域で活躍している沢山の人と出会えるため、魅力的だと感じました。
また、高校生の頃に“取材して記事を書く”という経験をしていたため、大学生になってからも「言葉で相手に伝えるスキルを成長させたい」と考えていたことも大きな動機です。
活動を通して印象に残ったこと
言葉は無力でちっぽけなものでありながら、同時に誰かにとってもしくは私にとっても無限の力を与えてくれる存在だと感じています。
記事を作成する度に「上手な文章を書きたい。伝わる言葉を紡ぎたい。でも、できない…」と葛藤する日々。活動を通して、取材した方の人となりや素敵なところを沢山知ることができた一方で、その素晴らしさを伝えようとすればするほど拙い言葉しか出てこなく、自分の力の無さを痛感しました。
言葉を紡ぐという単純な行為が、なぜこんなにもできないんだ。言葉を相手に伝えることは、なんて難しいんだ。そんな風に『言葉の力』に苦しみ続けた1年でした。
しかし、私は読者の方や取材した方の言葉から何度も力をいただきました。「取り上げた方の素敵なところがよく伝わってくる記事だったよ」「とても良い記事に仕上げていただきありがとうございます」という言葉を受け取る度に、頑張って良かったと今までの苦労を忘れてしまうほど嬉しかったです。
言葉と真剣に向き合ってきたからこそ、言葉の無力感と有力感、どちらも実感することができました。
活動を通して捉えた課題と学び
約1年間のインターンシップを経て、学びとして得たことが2つあります。
1つ目は、『セルフマネジメント力』です。やらなくてはいけないことや優先順位を鑑みて計画を立てる、ミスが起きないように事前に準備して余裕を持つなど、当たり前ではありますが『自分自身を律する』ということが非常に大切だと学ぶことができました。
計画的に行動することでライター仲間や先方とのやり取りをスムーズに行えますし、なにより私が行った仕事に対して安心や信頼を感じていただけるようになります。インターンシップを始める前の自分よりもセルフマネジメントができるように成長したと感じていますが、同時にまだまだ未熟な部分もあるとも感じています。学生の私にも責任を持ってお仕事をさせて下さったスタッフのみなさんのお陰で、社会人になるにあたって必要な『セルフマネジメント力』を身につけるきっかけになりました。
2つ目は、『ありたい未来を想像し信じ切ること』です。インターン生として、あしかもメディアのライター以外の仕事にも触れさせていただきました。とちぎユースサポーターズネットワークは、「一歩踏み出そうとする地域の若者とともにより良い社会をつくっていこう」と日々奔走していました。
しかし時には、より良い社会を目指すことを諦めてしまいそうな課題に直面することもあります。そんな時でも、スタッフのみなさんは自分を信じ、仲間を信じ、ありたい未来を想像するだけではなく、それに向かって必要なことを常に考え、前向きに取り組んでいました。
私は何事にも慎重になりががちで、自分のことを信じて行動することが苦手でした。しかしスタッフのみなさんと過ごす中で、初めは上手くいかなかったとしても一歩踏み出すことで自分や周りに変化を与え、時間をかけて理想に近づいていくことができるのだと学びました。今後生きていく上でも、『ありたい未来を信じ切る』『自分を信じ切る』ということを大切にしていきたいです。
これからについて
活動を通して得たものやスタッフのみなさんと出会えた経験から、「周りにはワクワクすること、楽しいこと、キラキラすることで溢れているんだ」と気がつくことができました。今は、「もっと自分の知らない世界にいる素敵な人やものたちに出会いたい」という気持ちがあります。会ってみたい人に会いに行く、行きたい場所に足を運ぶ、食べてみたいものを味わいに行く。そんな原体験を重ねていきたいです。経験を積み重ねていくことで、今までの世界の色が塗り替わっていくようなこれからを過ごしていきたいと思います。