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人と人が繋がり合う。環境と身体に優しくあたたかい雰囲気の『FROGS GARDEN』

「誰でも手にとれる体と環境に優しいものを扱いたい」

「誰でも入りやすいあたたかいお店をつくりたい」

そんな想いで営業している素敵なお店が栃木市にあります。

野菜や食品、ハンドメイド雑貨などを取り扱う複合ショップ『FROGS GARDEN』。

FROGS GARDENについて、店長の田中さんにお話を伺ってきました。

FROGS GARDEN店長・NPO法人自然史データバンクアニマnetスタッフ / 田中 宏輝(たなか ひろき)さん
鹿沼市出身。大学時代に建築を学び、二級建築士の資格を有する。大学卒業後アニマnetスタッフとして活動し、当時空き店舗だった建物を自ら改装して、FROGSGARDENを立ち上げた。店長を務める傍ら、アニマnetスタッフとしての森林整備や、農薬を使わない農業、不登校の子どもたちの指導にも貢献している。

環境と身体に優しくあたたかいお店

お店のコンセプトや特徴、扱っているものなどについて教えてください。

コンセプトは『体と環境に優しくあたたかいお店』です。お店で扱うものは、農薬を使わずに育てた野菜や添加物を使用していない安心な食品、作家さんのハンドメイド雑貨を厳選して置いています。

栃木市の野菜や栃木市や近くの小山市で活動している作家さんのハンドメイド雑貨を置かれているようですが、近くの地域のものを置こうというこだわりがあるのですか?

ずっと栃木県に住んでいたので、まず『栃木県が好き』という気持ちがあります。それから、栃木市や小山市など、近くに魅力的な作家さんや野菜、食べ物を作っている方がたくさんおりますので、FROGS GARDENにたくさんの魅力を集めて、その魅力をこのお店から発信できたらいいなと思っています

お店で取り扱う野菜はどのように選定しているのですか?

オープンしたばかりの頃は僕も所属しているアニマnetの農業部門から独立したFROGSの野菜を中心に、またアニマnet協力者の阪本農園の野菜を置かせていただいたのですが、お店を営業している中で無農薬や有機栽培で野菜を育てている魅力的な方々と繋がることができたので、そういった方々が育てている野菜も置かせて頂いております。

どうして野菜だけではなく、雑貨やアクセサリーを販売したりカフェを開いたりしているのでしょうか?

オープンのきっかけは、『自分たちで育てた安心で安全な野菜の魅力を多くの方々に伝えたい』という思いからでした。そのため野菜たちの魅力を活かした料理を提供できるカフェスタイルのキッチンを作りました。

店舗に来てくれるお客様が料理を待つ間に店内を見ていただこうと、栃木市で活躍している作家さんと不登校の子どもたちが作る作品を置いていたんです。そのような形で営業している中で、色々なハンドメイド作品の作家さんがお店に訪れてくれて、繋がりが広がり、魅力ある作家さんの作品を置くことで魅力の増すお店になっていくのかなと考えるようになりました。カフェは、育てた野菜を使った料理を提供して「この野菜ではこういう料理ができるんだよ」というのをお客さんに伝えたいなと思い始めました。

店内ではハンドメイド作家から直接学べるワークショップやアーティストのライブなどが開催されていますが、それらのイベントを開催しているのはなぜなのでしょうか?

商品を置くだけではなくて、作家さんがお店に来てワークショップを開催することで、お客さんも作家さんの顔が分かって作家さんとの距離がさらに近くなっていいのかなと思い、実施しています。アーティストの方からは、「パフォーマンスや音楽をやりたいけどライブをする場所がなくてやれない」という声も聞いていたので、それならこのお店を使ってライブをやってもらったらアーティスト側も良いですし、お店側も嬉しいのでぜひやりたいなと思いました。

出荷できない野菜たちも活かしたい

なぜこのようなお店をオープンすることになったのでしょうか?

農薬を使っていない野菜を育てると、どうしても形が不揃いだったり大きさが違ったりする野菜が出てくるんです。育てた野菜は直売所で販売していたのですが、売れ残ってしまう野菜もあったんですよね。そこで、自分達のお店を作ってそういった野菜たちを活かして料理を作り、FROGSの野菜の魅力を発信していきたいと考えるようになり、お店をオープンしました。

なぜ栃木市の中でも倭町(やまとちょう)にお店をオープンしたのですか?

空き家を借りる前にどれくらいの人が通り、どういう世代の方が多いのか調査をしました。ここならば栃木市の魅力である巴波川を活かし、街と田舎を繋ぐお店ができるなと思ったんです。

お店を営業している中で印象に残っていることはありますか?

お店の商品のラインナップからしても、20〜40代の方が集まって来てくださるのかなと思っていたんですけど、小学生の女の子2人が寄ってくれて「素敵なお店を探し中なんです」と言ってくれたり、近隣のご年配の方が野菜を買いにここに来てくれたりと、幅広い年齢の方がこの店に気軽に来てくれるっていうのはすごく嬉しいですね。自分たちも誰でも入って来られるようなお店の雰囲気作りを心掛けているので、それがお客様にちゃんと伝わって、来てくれるっていうのは嬉しいですね。

あとは、リピーターさんですね。天候が悪い時でもリピーターさんが来てくださって、それだけで救われるんですよね。何度も足を運んでくださるお客様はすごくありがたいです。

素敵ですね。一方で、大変だったことはありますか?

お店をやることに関しては何も知識がなかったので、0からやったのは1番大変でしたね。お店のことは経営しながら覚えるような感じでした。

自分で育てた野菜を販売し、自分でも食べられるという喜び

これまでのご経歴を教えていただいてもよろしいでしょうか。

大学では建築について学びました。中学生か高校生の時、通学路にたまたま家を一から建てるっていう家があって、毎日見てたんですよ。「建築って面白いなぁ」「大工さんってすごいなぁ」と思っていて。加えて農業にも興味があったので農業か建築かで進路を迷ってたんですけど、当時は実家が農家じゃないと農業はできないと思っていたので、結果的に建築学科に進学しました。「建築学科に入れば大工みたいなことが出来るんだろうなぁ」と思って入ったんですけど、図面を描いてばかりでイメージとは違いました(笑)

それから、大学3年の時に、宇都宮市の多気山でお寺の掃除やお守りの販売などをするアルバイトをしていました。その時に、3歳年上のFROGSの代表の櫻井さんと出会って、農業をやっていると聞いて、何度か畑に遊びに行かせていただいたんですよね。その時に「農業ってすごく面白いなぁ、楽しいなぁ」と思ったんです。それで、大学卒業後は農業をやってみたいなと考えるようになり、アニマnetに入って農業をやらせていただくようになりました。

どうして農業に興味があったのですか?

中学生、高校生の時に通学で農道を通っていて、実際に農業をやってる人の姿を見て面白そうだなと思ったんですよね。

それから、櫻井さんに出会って、「櫻井さんのような若い人も農業をやっているんだ」「実家が農家じゃなくても農業ってできるんだ」っていうのを知ったんです。

学生時代のアルバイトを通して出会った人が今に繋がっているんですね。

櫻井さんに出会ったのが大学3年生の時で、就職活動をしていた時期だったんですよ。建築学科で学んでいてスポーツもやっていたので、将来は建築かスポーツに関わる仕事しか考えてなかったんですけど、櫻井さんとの出会いをきっかけに仕事として農業をやってみるというのも選択肢の1つになったんですよね。

なるほど。新卒でアニマnetに就職して、はじめは農業に従事されていたのですね。そこからどのような経緯でお店をオープンすることになったのでしょうか?

そうなんです。アニマnetで働き始めて1,2年が経った頃、アニマnet代表の渡辺さんが、お店を作ってみようと提案してくれたんです。自分が建築学科を卒業していたので、「空き店舗を借りて初めから改装してお店を作ってみよう」と提案してくれたので、一緒にやり始めました。この時に、建築学科で学んだ図面を描くということと、元々憧れだった大工みたいなこと、この2つを自分でできたので良い経験でした。

他の職業に就くことも検討していた中で、どうして最終的に農業を選んだのでしょうか?

直感ですかね。当時は本当にやりたいと思った方に進みがちで、それが農業だったから進んでみた感じなんですよね。

新卒でNPO法人に就職して農業をすることに対する不安などはなかったですか?

楽しそうだなっていう気持ちのほうが大きかったかなぁ。

色々な就職先はあったんだろうけど、『自分で作ったものを販売して自分でも食べられる』ということに喜びを感じるので、この道に進んで良かったなと思っています。

誰でも入って来られるようなお店を作りたい

将来は、FROGS GARDENをどのようなお店にしていきたいですか?

誰でも入って来られるようなお店でありたいと思っています。そのために、従業員みんなでお店の雰囲気を良くしていきたいですね。お客様から学ぶことも凄く多いので、お店に来てくださる色々な方とつながっていきたいなとも思います。

誰でも入って来られるような入りやすい雰囲気を作るために意識していることはありますか?

「いらっしゃいませ」の次の言葉、雑談をしていこうと思っていますね。お客さんの中には店員と話すことが苦手という方もいらっしゃるので、そういう時は深くはいきませんが、なるべく小さな会話が生まれるような雰囲気を作っていきたいなと思います。

大事ですよね。「いらっしゃいませ」で終わっちゃうと、『お客様と従業員』というになっちゃいますけど、プラスで会話があると『人と人』という関係になりますよね。

それは意識していますね。

あとは、今はお店を中心にやってるんですけど、「ゆくゆくは自分の畑を持って自分の野菜を育ててみたい」という気持ちがありますね。生産者側になって野菜を作ってそれを自分でお店で販売したり、自分で作った野菜を自分で料理して販売したりと6次産業みたいな形でできたら、FROGS GARDENがもっと面白いお店になるのかなという気持ちがあります。今は栃木市に住んでいないので、いずれは栃木市の畑付きの空き家に住んで農業もやりつつお店もやるみたいなことができたらいいなと思っています。

かねてより気になっていたFROGS GARDEN。

どんな人がやっているのだろう?とドキドキしながら取材に向かうと、店長の田中さんがあたたかく迎え入れてくれました。

あまりにも魅力的なお店だったので、何度も「素敵なお店ですね」と言ってしまったのですが、その度に「ありがとうございます」「嬉しいです」と感謝の言葉を伝えてくれる田中さん。そんな田中さんのあたたかい人柄やお店に対する想いを聞いて、ますます素敵なお店だと感じました。

ぜひFROGS GARDENで人と人として繋がる体験をしてみてください。

各種情報

『FROGS GARDEN』店舗情報
住所:栃木県栃木市倭町3-14
営業時間:10:00〜18:00
定休日:月曜日・火曜日・水曜日
駐車場:無。蔵の街第1駐車場(有料)・栃木市役所立体駐車場(無料)をご利用ください。
Instagram:https://www.instagram.com/frogs_garden/
公式LINE:lin.ee/0IZvDts