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“カフェ×元教員×子ども食堂” 元教員のオーナーが、カフェで創り出す子ども食堂と子どもの居場所

昨今、日本の子どもの約7人に1人が相対的貧困1の状態にあると言われています。

そんな子どもの貧困問題が深刻化する中、近年急激に数が増え、全国に7,300箇所以上もあると言われているのが『子ども食堂』です

子ども食堂は、子どもたちに無料もしくは安価で食事を提供する場所。

子ども食堂によって運営者や対象の子ども、運営スタイルは様々で、NPO法人やボランティア、高齢の方や若者など、様々な人が運営に携わり開催されています。

「自分のスキルを活かして、様々な子どもたちの受け皿になるような場所をつくろう」

そんな想いのもと、カフェを経営しながら子ども食堂や学習支援を行っているのが栃木市にある『cafe 田じ庵』です。

「カフェと子ども食堂・学習支援を同時並行で行う」という珍しい活動を行うオーナーの田島さんに、きっかけや活動に対する想い、教員時代のお話まで、様々なお話を伺いました!

今回お話を伺ったのは…

cafe 田じ庵オーナー 田島 収(たじま おさむ)さん
cafe 田じ庵を2016年にオープン。それまでは中学校の英語教員として教壇に立っていた。食べ歩きが好きで、かねてより退職後は自分のお店を持ちたいと夢見ていた。

昔ながらの喫茶店メニューが楽しめる、オーナーのこだわり溢れるカフェ

入店すると、早速オーナーが出迎えてくれました♪ 店内はこだわり溢れるあたたかい空間です。

まずは、カフェの特徴について教えていただきました。

木がふんだんに使われたあたたかみのある店内ですね!

まずは、おすすめのメニューについて教えてください!

グラタンとオムライスがおすすめです。特にオムライスは私が1番好きなメニューで、安いのにボリューミーだし、デミグラスソースが美味しいですよ。

紅茶とプリンもいただきましたが、とても美味しかったです🍮ごちそうさまでした✨

その他のメニューは以下より。

美味しい食事でお腹が満たされたところで、早速子ども食堂についてお話を伺ってみることに。

安心できる空間で美味しい食事を安く届ける

cafe 田じ庵では、カフェの営業終了後、子どもたちの学校が終わる時間に子ども食堂を開いています。

子ども食堂ではどのような食事を提供しているんですか?

この間来てくれた子どもはポテトフライが好きだったので、ポテトフライ・グラタン・ピザをワンプレートにして、お子様ランチ風にしてあげました。

これはご飯とハンバーグの定食に…

カフェで提供しているメニューを子どもの好みに合わせてアレンジしているんですね。とっても美味しそう…!お値段はおいくらですか?

すべて100円で提供しています

100円!?その値段では売上も出ないと思うのですが、子ども食堂やカフェの経営は大変ではないのでしょうか?

たしかに大変です。ただ、社会福祉協議会からお米をいただいたり、カフェの常連のお客様が寄付をしてくださったりするので、マイナスばかりではないですね。

子どもたちはこれからの社会の宝なので、使命感というか、「子どもたちが喜んでくれるんだったら私財を投げ売ってでもやろう」という気持ちでいます。やっててよかったと思うことばかりですね。

子どもの受け皿になるような場所をつくり、食事と学習支援を

どうしてカフェを経営しながら子ども食堂を立ち上げることに?

コロナ禍で一般客が激減してしまって、開店休業の状態に陥ってしまったんです。時間ができて色々と考える中で、「大変な時こそ子どもの受け皿になれる場所が必要だよなぁ」「子どもたちが自由に過ごせる居場所にしてもいいよなぁ」と思ったんです。やっぱり子どもたちが来てくれることはすごくエネルギーをもらえますからね。

実は、カフェをオープンする前は中学校の英語教員として教壇に立っていたという田島さん。

やはり教員として子どもと関わっていたという経験が子ども食堂の活動に繋がっているのでしょうか?

大学で教育心理学を学んでいて、教員になってからもカウンセリングの勉強をしていたんですね。教員時代には不登校対応教員になり、不登校になりたくてなってるわけじゃなく、背景に家庭の問題があったりして不登校にならざるを得ない子どもたちを数多く見てきました。元教員なので学習支援もできるし食事もつくれるので、「子ども食堂や子どもの居場所づくりをやってみようかな」と思ったんです。

子ども食堂や学習支援の要素もありながら、『子どもの居場所』のような場所なんですね。日々、どのような子どもがやってきますか?

小学校の先生がとある生徒を連れてきてくれたことがありました。家庭環境に問題があり自宅では勉強やまともな食事を取ることが難しいということで、先生が見かねて私に連絡をくれたんです。それから、中学3年生の受験生も数名来てくれています。同じ部活の子たちで、みんなで勉強する場所として使ってくれています。

本当に支援が必要な子どもに、食事と学習の場所を提供したい

このような場所を開いたり、子どもと関わったりする上で意識していることはありますか?

子どもたちの自主性に任せて過ごしてもらうようにしています。私もキッチンで水仕事や仕込みをしているので、勉強中に質問されたら答えますが、基本的に子どもたちにはあまり干渉しないですね。

ただ、だらだらとやってもしょうがないので、学校の時間割のように小学生は45分・中学生は50分と区切って、その時間は集中して勉強しその後10分休憩、という風にメリハリをつけています。ランチだけじゃなく休憩時間におやつやドリンクを出してあげると子どもたちが喜んでくれるので、そういう姿を見ていても「やっていて良かったな」と感じます。

時間を区切るのは、子どもたちの学習習慣を身につけるという点でも良いですね!

それから、プライバシーに関することは深入りしないようにしています。もし話してくれれば聞くけれど、こちらから詳しく聞くことはないですね。

なるほど。栃木市のホームページにもあるように、対象者は『やむを得ない事情で夕食が摂れない小中学生』となっていますよね。そのように対象者をすべての子どもではなく限定しているのはなぜですか?

優先順位じゃないけれど、本当に支援が必要な子どもに届くようにそう書いてもらっています。もちろん来る者拒まずですが、「誰でも100円で安く食事ができるんだ」と誤解を生んでしまわないようにですね。

困った環境にある人を助けられる大人になってほしい

今、訪れる子どもの数は決して多くないという子ども食堂。この場所の未来を、田島さんはどのように描いているのでしょうか。

今後、この場所をどのような場所にしていきたいですか?

子どもたちが自主的に学習に取り組み、明るく健やかに育つように少しでも支援したいです。やがて彼らが大人になった時に自助共助の精神を身につけて、今度は自分たちが困った環境にある人たちを支援できるような大人に育ってほしいなと思っています。

「情けは人の為ならず」ということわざがあるように、「人に情けをかけることでやがて自分にも良いことが返ってくる」という想いで活動を行っています。

子ども食堂は、各小学校区に1つ以上あるのが理想だと言われています。子どもたちが徒歩や自転車で安心して通える距離になければ支援が十分だとは言えないからです。

参照:2022年度 こども食堂全国箇所数発表(2022年12月 速報値)

現在全国に7,300箇所以上の子ども食堂がありますが、それでも充足率2の全国平均は約26%となっており、子ども食堂の数はまだまだ足りていません。

そんな中 cafe 田じ庵では、「本当に支援が必要な子どもに食事や学習場所を届けたい」という想いで、子どもが安心できる居場所をつくっています。

子ども食堂を支援するには、ボランティアとして運営に携わる・食材の寄付をする・お金の寄付をするなど様々な方法があります。自分に合った無理のない方法で、子ども食堂を応援してみませんか?

今後も、子どもが安心して過ごせる子ども食堂や居場所が増えていくことを望んでいます。

子ども食堂や学習室、カフェについて気になった方は下記電話番号までお気軽にお問い合わせください。明るく心優しいオーナーが対応してくれますよ✨

店舗情報

cafe 田じ庵
住所:栃木県栃木市吹上町1360 ※駐車場あり
営業時間:6時~8時(早朝モーニング)〈土・日のみ〉、11時~16時(ランチ・カフェ)
定休日:不定休
TEL:090-8494-0699

子ども食堂
費用:100円
対象者:やむを得ない事情で夕食が摂れない小中学生
開催日・時間:〈平日〉17時(学校終了後)~21時〈土・日・学校休業期間〉8時~16時

学習室(無料開放塾)
費用:無料
対象者:小中学生ならどなたでも
開催日:土・日・学校休業期間
開催時間:8時~16時