自然の音楽を体験・鑑賞!8/12(土)に『棚田DE雅楽』が開催されました。
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8月12日(土)に開催された、学生団体『棚田復活プロジェクト』によるイベント『棚田DE雅楽』にライター酒巻が参加しました。今回は、イベント当日の様子をお伝えしていきます🎤✨
『棚田復活プロジェクト』とは?
宇都宮大学の学生が中心となって活動を行う学生団体『棚田復活プロジェクト』では、耕作放棄地になってしまった栃木県茂木町の棚田を利用して米や大豆をつくることにより、その名の通り棚田を復活させる活動に取り組んでいます。
棚田を復活させ耕作地として再利用することは、地域の食糧自給率の向上だけでなく、茂木町における景観保護や災害防止も同時に意味します。
また、こうした活動を通して地域住民や栃木県内の学生間での交流が促進されるため、地域おこしの気運を高めることにも貢献しています。
まずは草刈り、棚田を守る第一歩
午前10時に棚田復活プロジェクトのメンバーが早坂の家に集まり、軍手や長靴を装備して棚田の草刈りへと向かいます。
棚田やその周辺に生い茂った雑草を放置していると、稲の発育の阻害や害虫の発生を招いてしまいます。炎天下の中でしたが、みなさんそれぞれ約1時間半ほどの草刈りに精を出していました🔥
ゆったりと広がる棚田に見入っていると、プロジェクトの責任者である伏本 遥さんから面白いお話を聞かせていただきました。
手前の濃い緑色の田んぼが私たちのものです。農薬を使うと奥の田んぼのように鮮やかな黄緑色の稲が育つのですが、私たちの田んぼは農薬を使っていません!無農薬でもこれほどきれいな棚田にできることを誇りに思っています。
汗を流した後は、手づくりピザで腹ごしらえ!
草刈りが終わってお腹が空いてきました。汗を流して働いたみなさんの前に並んだ、トマトやチーズなどの具材たち。
野菜を切って、ピザ生地をこねて、具を乗せて…。
仕上げに矢野さん自慢の手づくりアースオーブンでこんがり焼いて、いただきます🍴
大量のピザの他にミネストローネスープやサラダが添えられ、食事の場は大盛り上がり!この頃には一般の方々も多く見られ、ピザを食べたり、早坂の家を見学して周ったり、学生たちと交流したり…。
驚くことに、茂木町から遠く離れた大谷町からいらっしゃった方々も…!地域の若者との交流や雅楽体験など、普段中々味わうことのない一日に大変満足されていました✨
田園風景に響き渡る雅楽演奏会
ピザでお腹が満たされた頃、本日の目玉である雅楽演奏会へ!
篳篥(ひちりき)と電子ピアノの演奏からスタートです。銀河鉄道999など、誰もが親しみのある日本のポップミュージックも演奏されました。
続いて、國學院大學からお越しくださった葵雅楽会のみなさんによる演奏です。使われる楽器は、龍笛(りゅうてき)、笙(しょう)、篳篥(ひちりき)、琴、琵琶。
楽器の説明で特に興味深かったのは、それぞれが奏でる音色の意味です。
龍笛はその名の通り『龍の声』、笙は『天から差し込む光』、篳篥は『人の声』を表し、かの有名な『越天楽』を改めて聞くと不思議なことに龍、天からの光、人の声を強く感じられました!
非常に神聖な雰囲気に包まれた昼下がりを過ごすことができました。
気になる楽器はどれ?雅楽体験会
雅楽の演奏が終わると、さっそく雅楽体験会へ!
美しい音色を聞かせてくれた楽器たちに触れることができて、参加者は大興奮。龍笛、笙、篳篥、琴、琵琶など、もれなく体験することができます。
楽器を体験するも、軽やかに演奏するには相当な練習が必要であることを思い知らされました。特に篳篥や笙などの管楽器は、ただ音を出すだけでもかなり難しかったです。
葵雅楽会のみなさん、本当にすごい…。棚田の美しい風景にふさわしい素敵な演奏をありがとうございました!
プロジェクトメンバーからのコメント
素敵なイベントをありがとうございました。今回、『棚田DE雅楽』を開催した感想をお願いします!
私は大学一年生の時から棚田復活プロジェクトに関わっていて、今年で三年目になります。しかし今日のイベントのような、他大学の学生さんたちを呼んだり棚田の近くで雅楽を楽しんだりすることは今回が初めてでした。一般の方々含め、多くの方に楽しんでいただけたので良かったなと思います。
このプロジェクトを通じて、『耕作放棄地をそのままにしないことの大切さ』を多くの方に知っていただいたり、『若い世代に向けて農業に触れるきっかけをつくることができる』ことに意義を感じています。今回のイベントは中々できないものですが、だからこそ自分自身も楽しんで参加することができました。
ライターである私自身も、暑い中農作業をしている方々にお話を聞いたり、美味しいピザを食べたり、美しい雅楽の演奏に癒されたりと、非常に充実した一日を過ごさせていただきました。
食糧供給の面だけでなく、防災面でもレッドゾーンになってしまう耕作放棄地の存在。それに対する意識や知識を備えている人々の数は、これから減っていってしまうでしょう。
しかし、棚田復活プロジェクトに関わる若い方々の努力や、今回のように地域の方々を積極的に巻き込むイベントの実施などは、そうしたことを周知し、地域の安全確保や活性化において重要になっていくと実感しました。
みなさんも、今後の棚田復活プロジェクトの精力的な活動にぜひご注目を!