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〈仕事紹介〉中小企業を未来へつなぐ、地域特化型事業継承アドバイザリー事業 ーTSUNAGU株式会社 斎藤航さん

今回インタビューを受けてくださったのはTSUNAGU株式会社の斎藤航さん。銀行に勤めていた経験から中小企業が直面する課題を解決しています。従業員5名とともに栃木県を中心にM&A・事業継承支援、中小企業に特化した課題解決事業を行い地域課題の解決に取り組んでます。新たに自分なりのやりがいを感じながら事業をすすめている斎藤さん。これから描く地域社会も伺いました。

プロフィール

斎藤航さん
栃木県宇都宮市出身
足利銀行に就職後、株式会社「TSUNAGU」を設立
趣味:バトミントン、体を動かすこと
座右の銘:一期一会、出会った人って何か縁があるなとおもっているのでこの言葉が好きです。
TSUNAGU株式会社 (tsunagufirm.co.jp)

中小企業を守ることで地域を守っていく

今回僕が会社「TSUNAGU」を立ち上げたのは、中小企業の事業継承やM&A(企業の合併買収のこと。広義の意味として合併買収から提携までをさす)の必要性を感じているからです。M&Aはあまり身近ではないと思いますが、今、必要なことだと思っています。お店や中小企業を創業された方の高齢化が進んでいて、後継者を探す人が多くなっているのが現状です。後継者の選択肢としては、親族や従業員、第三者、見つからない場合は廃業という選択をすることになります。親族承継については、後継者が新しい働き方を求めていたり、従業員に場合は、責任の度合いも変わるため、親族や従業員が継ぐというケースも少なくなってきてます。そうすると第三者のM&Aを選択するという流れが必要になります。第三者による経営の引継ぎならば、歴史のある会社が継いでくれたり、これまでより大きな会社に従業員さんが入ってくれるということになったりと、引き継ぎ手も安心できます。日本の産業構成は、大企業の方が目立って人数も多く見えますが、実際は中小企業が99.7%ほどを占め、従業員も中小企業が68.8%を占めます。更にその家族がいることを考えると、中小企業が残っていかなければ、地域も良くならないと考えています。しかし、およそ60%以上の会社は後継者がいないと言われていて、後継者問題を解決しなければ廃業してしまう現状です。廃業すると雇用が失われ、お金も回らなくなるし地域も回らなくなってしまいます。自分だったら、銀行に勤めていた時のノウハウも活かしてお力添えできるのではないかと思い、事業継承やM&Aを行う会社を立ち上げました。

経営者の身近な存在に

銀行に勤めていた時は、外回りをして経営者と会って融資の話をしていました。融資を受けるということは、お金を借りるということですから、お金を返さないといけなくなりますよね。経営者にとっては、僕は銀行の人間ですからお金を返さなければいけない相手ということになります。もしかしたらそこで、距離が生まれてしまい、どんな時も顔が思い浮かぶわけではないと思っていました。 私も経営者となり、同じ立場となれば対等に話してくれることもあるのではないかと、経営者の真のパートナー的存在になることができるのでは、という感覚で銀行とはまた違った角度で地域のために仕事ができていると思います。

やりがい
ー信頼を得ること

安定している銀行をやめるなんて普通に考えたらバカなんじゃないの?って思われるかもしれませんね。しかし、最初の一歩は安定とかはあまり考えませんでした。最終的には自分と家族が納得すればいいと思っていました。家族に相談したときに、妻には「自分がやりたいならいいんじゃない?」と言ってくれたので、銀行をやめて創業しました。それにお金がどうこうっていうより、やってみたいことの方が上回ったのでやってみることにしました。やってみたいと思えるようになったのは、「信頼を得たい」という想いがあったからだと思います。TSUNAGU株式会社の業務は、きっと地域のため、人のためになると信じています。また、この仕事は地域に少ないため、求められている仕事と感じています。僕のやりがいは「信頼されること」です。初めて会った人と、だんたんと距離が近づき、信頼を頂き、仕事になった時に、人に必要とされる喜びを感じます。僕たちの仕事は、何か商品を売るわけではないので、人として信頼されるかどうか、だと思っています。人として信頼され、仕事が頂けた時に、やりがいに繋がっていると思います。

みんなが手を繋ぐ社会を目指して

色んな人が手を繋いでいってほしいと思います。人と人、会社と会社、情報と情報を自分たちがハブとなり、繋げていきたいという思いがあって、「TSUNAGU」という会社名にしました。本日、取材を頂き出会ったのも何かのご縁で、もしかしたら何かでまた繋がるかもしれません。自分たちだけが良ければいいというのが嫌だと思っているので、とにかく様々な会社と手を組ませて頂きたいし、より多くの方々とも関わっていきたいなと思っています。せっかく同じ地域にいるので、手を組みながら面白いことができればいいなと思っています。ちょっと悩んでいる事を相談できるような相手が同じ地域にいることは安心だし、そういった悩みをみんなで解決できればと思います。

次世代の若者へのメッセージ
ーチャレンジしてみて!

チャレンジしてほしいと思います。僕はチャレンジしたばかりですが、チャレンジをしてみると思っていた以上にみんなが応援してくれました。普通に考えたら周りの人も心配になると思うのですが、それでもいろんな人が応援してくれるなとつくづく思っています。僕だってもう34になるのに、起業してからは若いって言われますよ。年齢で馬鹿にするような人はあまり世の中にはいないじゃないですか。若ければ若いほど、いろんなことにチャレンジできるしいろんな人が応援してくれると思います。僕も、学生の頃から会社をやっておけばよかったと思います。僕は、何かにチャレンジしている人を応援します。チャレンジをする意気込みだけで応援したくなるし、一緒に何かやりたくなります。ぜひ、チャレンジしてみてください!