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〈仕事紹介〉地域をラジオで元気に!暮らしに寄り添う宇都宮コミュニティFM『ミヤラジ』とは?

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読者の皆さんは、普段ラジオに親しんでいますか?

誰もが簡単にインターネットで動画配信サービスを利用したり、情報にアクセスしたりできる今の時代。

「ラジオはあんまり聞かないなぁ」「そもそも、ラジオってどうやって聞くの?」

そう思っている方も、少なくないかもしれません。             

しかしひとたびラジオの世界に足を踏み入れると、そこには今よりちょっと毎日が輝くヒントがたくさん転がっていました。

地域につながりを生み出し、暮らしに何気ない発見や笑いを与えてくれるラジオ。

今回はそんなラジオの魅力を探るべく、宇都宮コミュニティFMミヤラジ局長 稲葉 克明(いなば かつあき)さんにお話を伺いました。

今回訪れたのは…

2017年に開局した宇都宮コミュニティFMミヤラジは、『つたわる、つながる、うつのみや』をコンセプトに、宇都宮市民に向けた情報発信を行うラジオ局です。

個性あふれるパーソナリティが様々な切り口からローカル情報を届け、世代を超えて宇都宮の人々に愛されています。

また、メンバーズクラブ『ミヤラジ+(プラス)』やフリーマガジン『ミヤラジ+(プラス)マガジン』など、ラジオ放送にとどまらない事業も展開しています。

ちょっとした情報から緊急時の情報まで、宇都宮市民への幅広い発信を続けるミヤラジが描く地域の姿とは、いったいどんなものなのでしょうか。

その秘密を探るために訪れたのは、栃木県宇都宮市のオリオン通りに位置するミヤラジ放送スタジオ。

普段見ることのできないラジオ放送の現場に、思わず見入ってしまいました。

そうこうしているうちに、局長の稲葉克明さんが出迎えてくださいました。
今日はよろしくお願いします!

災害時だけじゃない!日常とともにあるラジオ

『コミュニティFM』とは、基本的には市区町村単位の地域に向けたラジオ放送のことです。

その重要性が広く人々に認識されたのは、阪神・淡路大震災が起こったとき。被災者に支援物資などについての情報を発信する場として、神戸のコミュニティ放送局が10カ国語で放送するなど大きな役割を果たしました。その後、災害が起こるたびに各地で増えていったコミュニティ放送局は、今では全国に300局以上も存在します。

こうした背景もあり、防災や災害時の情報伝達を目的として、行政が設備を用意し、運営は民間企業に委託する『公設民営』によって設立されることも多いコミュニティ放送局ですが、ミヤラジはちょっと一味違うんです。

どのような思いからミヤラジを開局されたのですか?

「宇都宮に住んでいる人が地元の情報に触れる機会が少ない」という現状を知ったことがきっかけです。2003年に東京から地元・宇都宮に戻って来たとき、テレビでほとんどローカルなCMが流れていないことに違和感を抱きました。

そこで、「地元に密着した情報を届けたい」という思いからどんな方法があるのかを探した結果、『コミュニティFM放送局』ならそれを実現できるのではないかと思い、ミヤラジを開局しました

ミヤラジの番組は、福祉・音楽・歴史・スポーツなどバラエティーに富んでいて、気になるものばかりです…!

宇都宮に住む全ての人に聞いてほしいので、色んな立場・世代の人に響く番組を用意することを心がけています。普段から宇都宮のお店やイベントなどの情報を多く発信することで、『緊急時のためのラジオ』ではなく、いつも聴いている『面白いラジオ』として親しんでもらいたいです

『緊急時のためのラジオ』ではなく『面白いラジオ』?

例えば、「緊急時に備えて日頃からラジオを聞いていてください」って呼びかけられても、その放送が退屈だったらみんな聞かないじゃないですか。「普段から面白い放送をやっているから災害時にも聞こう」。そう自然に思ってもらえるようなラジオを目指しています。

なるほど。日常的に親しめることって、とても大切なことなんですね。

最近では、テレビが連日新型コロナウイルスの話題を取り上げていて、コロナ疲れを感じる人も増えてきました。そんな中、「テレビの代わりにミヤラジをつけるようになりました」「独りのときもミヤラジを聞くとホッとします」というメッセージをいただくことも多いです。不安定なご時世において、ラジオの感じさせる親しみが人々に癒しをもたらしているのかもしれません。

確かに私も、ニュースを見ていて世界の情勢に不安な気持ちになることが多いです。

そうですね。それに、異国の地で起きている戦争や世界的な環境問題の情報をキャッチしても、それらが自分の生活にどう影響するのかが見えないと行動って変わらないですよね。世界的な出来事を身近な視点に置き換えることで、受け取り方や考え方も変わってくる。大規模な報道は他のメディアに任せて、僕らは宇都宮の人の目線に立った情報を届けることを最優先に考えています。

まさにミヤラジにしかできない情報発信を大切にされているのですね。

『つたわる、つながる、うつのみや』広がり続けるつながりの輪

ミヤラジが掲げている『つたわる、つながる、うつのみや』というコンセプトに込められた思いからは、ミヤラジが目指す地域の姿に加え、ミヤラジと地域との双方向的な関わりも見えてきました。

『つたわる、つながる、うつのみや』とはどんなことを意味しているのでしょうか。

ミヤラジの発信がリスナーさんに伝わり、リスナーさんがアクションを起こし、それによって人やお店がつながる。そんなことの積み重ねで宇都宮が元気になってほしいという思いを込めています。

実際にリスナーさんとのつながりを感じることもあるのですか?

「ラジオで紹介していたお店に行ってみたら、すごくおいしかったです」というようなメッセージをいただいたことがあります。あとは、ラジオの生放送中にTwitterでつぶやいてくれることも。やっぱり発信に対して反応をいただけると嬉しいですね

ラジオは一方的な発信だけじゃなく、コミュニケーションの場にもなるんですね。ミヤラジでは生放送をされているんですか?

基本的には全て生放送です。そうじゃないと、リアルタイムの出来事をすぐに伝えられないんですよ。例えば、「宇都宮市内で雨が降ってきました」って放送したら、それを聞いた人が洗濯物を取り込んだり。そんな日々の何気ない発信も大切にしたいですね。

小さなことの積み重ねが宇都宮の生活に根付いた今のミヤラジを形作っているんですね。

台風の日に見せたミヤラジの底力

2019年10月12日、台風19号が関東・東北地方で猛威をふるいました。栃木県宇都宮市でも、12日夜に田川が氾濫し、多くの市民が避難所で一夜を明かすことに。

そんな非常事態において、ミヤラジは地域のためにどのような役割を果たしたのでしょうか。

事前に大きな台風が来ることは分かっていたので、その1週間前からラジオで警戒を呼び掛けていました。最初はいつものように何事もなく過ぎ去るだろうと思っていたんですが、いざ台風が来てみたら、予想外にその規模が大きかったんですよ。

そのときの宇都宮はどんな状況だったのでしょうか。

各地で避難所が開設されましたが、避難者数が多すぎて、12日夕方時点でこれ以上受け入れができない施設が続出していました。そのため、「〇〇の避難所は満室なので、他の避難所に逃げてください」という公式発表が出るんです。でも、情報が不十分な中、空いている避難所を探しまわることはとてもリスクが高かった

とても逼迫していたんですね。そんな中、ミヤラジはどんな情報発信を?

「近くに避難できる施設がない場合は、なるべく建物の2,3階に逃げてください」と呼びかけました。いわゆる『垂直避難』です。避難所に行くには氾濫寸前の河川を渡る必要がある地域もありましたが、まずは何より命を守る行動をとらなきゃいけない。そんな時、避難所に行くことに加えて垂直避難という選択肢も発信できたことは良かったと思っています。

臨機応変な判断と対応が大切だったのですね。

そうなんです。それに、田川の状況も逐一発信しました。公式で田川の氾濫が発表されたのは10月12日22時半くらいでしたが、実際22時にはすでに溢れていたんです。僕らは、公式発表の前からFacebookやTwitterに投稿された河川状況をラジオで情報提供していました。通常はラジオ自体は22時終了するのですが、その日は翌日(13日)の朝方まで台風の情報を伝えていました

そんな非常事態において、どのようなことを心がけていましたか。

いつも通りに放送することです。パーソナリティがいつものようにしゃべり、いつものように音楽をかけることで、普段からラジオを聞いてくれている人に安心感を届けることを意識しました。他のメディアと比べると、ミヤラジは何かを広範囲に拡散する力は弱いかもしれない。でもその一方で、僕らが災害時に放送をすることには、情報を届ける以上の意味があると思っています。

ありがたいことに、その放送の後にリスナーの方から「台風の中でとても不安でしたが、ミヤラジの放送を聴いてホッとしました」というメッセージもいただきました。

毎日聞いていた放送だからこそ、宇都宮の人は、災害時もミヤラジを心のよりどころにすることができたのですね。

宇都宮を、もっと挑戦があふれる街へ

稲葉さんにとって、宇都宮はどんなところでしょうか。

やりたいことが実現できる街です。ちょうどいい規模感だからこそ、何かに挑戦しようとしたときに、応援してくれる人や仲間になってくれる人とたくさん出会えると思っています。

そんな宇都宮で住む人にとって、ミヤラジはどんな存在でありたいですか。

色んな人のサポートができる存在です

例えば、イベント情報をミヤラジで紹介する際の広告費は、一般的には考えられないほど安く設定しています。また、ただラジオを通して告知するだけでなく、ステージ機材やMCを用意してイベントの開催自体に関わることもあります。「ひとりじゃできないけれど、ミヤラジと一緒ならできるかも」。そう思ってくれる人が増えて、宇都宮がもっと活き活きした街になったら嬉しいです。

ラジオというメディアを介さずに地域と関わる事業にも挑戦しているのですね。

もともとミヤラジは、人が集まって情報を伝えたりつながったりできる場を実現したいという思いから始まりました。ラジオは、あくまでそのための手段なんですよ。だから会社の正式名称も『宇都宮コミュニティメディア』で、『ラジオ』という言葉は入れていません。地域メディアとして、もっと視野を広げた活動をしていきたいと考えています。

発信媒体よりもっと根本の部分を重視しているんですね。今後やってみたいことはありますか?

もっとスタジオの外に出て行くことですね。最近はコロナの影響もあり、みんなで集まって何かをするという機会が減ってしまいました。コロナが収まったら、僕ら自身がイベントを企画・運営して、宇都宮で人と人との交流のきっかけをつくりたいです。ラジオの放送機材を積んだ車で宇都宮の街をまわり、各所でラジオ放送をやってみるのも面白そうですね。

まさに地域や人を『つなぐ』活動ですね。これからの宇都宮がどんな風になっていくのか、私も楽しみになってきました!

働いている方へのインタビュー

ミヤラジで2年以上パーソナリティスタッフとして働いている伊藤 由(いとう ゆい)さんに、パーソナリティのお仕事のあれこれについて聞いてみました。

どのようなきっかけからミヤラジで働くことになったのでしょうか。

昔から音楽活動をやっていて、以前はミヤラジにゲストとして出演し、生演奏をさせてもらったりしていました。そうこうしているうちにラジオのお仕事に惹かれるようになり、2年前パーソナリティスタッフになりました。ミヤラジでの仕事は私の生活スタイルに合っているので、子育てや音楽活動との両立もしやすいですね

普段は、ミヤラジでどのようなことを発信されていますか。

私は10年ほど前、結婚を機に宇都宮に移ってきました。最初は知らない土地への不安もあったのですが、徐々に知り合いも増えていき、ここでの生活が楽しくなってきたんです。

そんな経験を活かして、結婚や転職を機に宇都宮にIターンした方に寄り添えるようなことを発信しています

同じ目線からのお話が聞けることは、リスナーにとっても心の支えになる気がします。発信を行う上で、特に心掛けているのはどんなことですか?

ただ情報を話すだけじゃなく、近所のお店でのくすっと笑えるエピソードなどを盛り込むことです。私の話を聞いて、リスナーさんが楽しい気持ちになってくれたらいいですね。番組によって話のジャンルは様々ですが、『楽しさ』をお届けすることは、どのパーソナリティも意識していることだと思います。

『楽しさ』がキーワードのひとつなんですね。ミヤラジの放送が宇都宮の人に愛されている理由が分かったような気がします!

自分の個性がラジオに活きる

ミヤラジには、大学生から70代までのパーソナリティスタッフ20名が集まっています。世代も興味もそれぞれ異なっていますが、みんなに共通しているのは「大好きな宇都宮を元気にしたい」と思っているところです。

みなさん全く違うように見えて、実は活動の軸は同じなのですね。
スタッフの方々は普段どのようなお仕事をしているのでしょうか。

他に本業を持っている人がほとんどで、ミヤラジはいわば副業として取り組んでいるスタッフが多いです。本業との相乗効果で、ミヤラジの活動がもっと楽しくなったり、逆に本業にもプラスになったりして、そこがモチベーションにもつながっていますね。

また、『パーソナリティ』とは言ってもただラジオで話すだけではなく、ネタ探しや取材、営業、番組構成、機材操作まで、0から番組づくりに関わっています。街を歩いていて、「この店のオーナー面白いな」「あのイベント行ってみたいな」と感じたことがそのまま話すネタになったりするんです。街が元気になれば、テーマはどんなことでもいい。

色々な個性が番組を通して現れるのが素敵ですね。

そうなんですよ。だからこそ、話す技術よりも、自分にしか届けられないローカルな情報を持っているとか、人と会って話を聞くのが好き、とかの方が大切です。ラジオを通してその人らしさが伝われば、きっとリスナーの方も面白がって聞いてくれますから。

自分の興味や好きなことを活かすことが、結果的に素敵なラジオ放送につながるのですね。

「宇都宮のことを、もっと宇都宮の人に知ってもらいたい」

稲葉さんの思いからはじまったミヤラジの放送は、今も街のどこかで小さなきっかけやつながりを生み出しています。

そのひとつひとつがいつか芽吹いて、宇都宮がもっと楽しく、もっと素敵な場所になっていく…。稲葉さんのお話を聞いていると、そんな未来が容易に想像できて、なんだか私もワクワクしてきました。

これを機に、読者の皆さんもミヤラジを聞いてみてはいかがでしょうか。 もしかするとその先には、新たな出会いや発見が広がっているかもしれません。

ミヤラジではパーソナリティを務めてくれる方を、随時募集しています。また、イベントの情報やお店の情報など、告知したいことがあれば、ぜひミヤラジにお知らせください。オリジナル番組を持つこともできますし、CMやマガジン広告も安価で提供しています。

気になる方は、ぜひミヤラジまでご連絡ください!

株式会社 宇都宮コミュニティメディア
住所:〒320-0802 栃木県宇都宮市江野町7-8 堺屋ビル2階
TEL 028-666-2897 (平日10:00~17:00)
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