梨だけでなく、シャインマスカットや焼き芋まで!?守りながら変えていく『阿部梨園』の挑戦
栃木県宇都宮市にある『阿部梨園』。
『阿部梨園』とは、“量より質”を大切に、梨だけでなくいちごやシャインマスカットの生産・直売、焼き芋の販売などを手掛ける農園です。現在は、20代で父親から『阿部梨園』を引き継いだ阿部 英生(あべ ひでお)さんが代表を勤めています。
採れた農作物は農協などに卸されることが主流な中、そのほとんどを直売で販売していることも特徴のひとつです。

そして、“守りながら変えていく”をポリシーに、梨を超えてまちをつくっているとのこと。
今回は、そんな『阿部梨園』の3代目である英生さんにお話を伺ってきました。

“梨を贈る文化”をつくりたい。パッケージにもこだわる『阿部梨園』の想い
様々な事業を展開されているかと思いますが、そもそもどんな梨屋なのでしょうか?
私たちは、直売を何よりも大切にしている農園です。単に梨を作るのではなく、「お客さまに甘くて美味しい梨を届けたい」という想いで梨づくりを行っているので…!
素晴らしい考えですね!直売の他に、パッケージにも力を入れられているそうで…
そうなんです!「美味しい梨を味わっていただくだけでなく、生活に彩りを添える体験を届けたい」と思っているんです。簡単に言うと、お客さまにギフト体験をお届けしたくて。
ギフト体験、ですか?
はい!ケーキ屋の箱を開けた瞬間にワクワクするような、そんな体験を届けたいと思っているんです。箱を開けた瞬間、「あ!阿部梨園の梨だ!」と思ってもらえたら嬉しいな、と。ただ、梨は単色で少し見栄えが劣ってしまう。そこで「パッケージにもこだわろう」と思ったんです。

なるほど!これはワクワクしますね…!
お客さまの「食べたい」という気持ちを超えて、「誰かに送りたい」、つまり「誰かに食べてほしい」という気持ちが生まれることを目指しています。いわば、パッケージを含めた最高の梨づくり、です!自分たちをただの梨屋だとは思っていなくて。梨じゃなくて、「まちや文化をつくっている」という意識を大切にしていますね。


大げさではなく、本当に形になっていますよね!それに、梨以外にも様々な事業を展開されているそうで。
そうですね。今は、加工所や休憩室、販売所などが一体となった、“作る・加工する・食べる・買う”がすべて叶う複合施設を造りたいと考えているところです。
それは素敵なアイデアですね。『阿部梨園』さんのこれからがますます楽しみです…!
自販機に行列!?梨屋の焼き芋販売
焼き芋販売もされているそうで!
そうなんです。自動販売機で焼き芋を販売しているのですが、ありがたいことに行列ができるほど好評で…!
自販機に行列!?
もう焼くのが間に合わないくらいです…(笑)

運営しているスタッフが「今日は増量中です」というPOPを窓に貼ったりと、細やかなんですよね。それが分かりやすくてお客さまに受けているんですよ。
何をしても大人気の『阿部梨園』さん、恐るべしです…(笑)
「あなたの作った梨なら何でもいい」。忘れられない一言、そして不作を乗り越えた経験
これまでで一番嬉しかった出来事ってありますか?
あります!予期せず『幸水』という品種の梨が不作になってしまった年があり、ご予約いただいていたお客さま一人ひとりに返金対応や品種を変更しても良いかという旨の謝罪の電話をしていたときのことです。
それは本当に大変でしたね…
そうなんです。もう記憶喪失になるくらい忙しなく対応に追われていて…。そんなとき、とあるお客さまに謝罪の電話を入れて、別の品種にして送っても良いかと尋ねたときに、「あなたが作った梨なら何でもいいわ」というあたたかいお言葉をいただいて。本当に嬉しくて、今でも思い返すと目頭が熱くなりますね。

東京の方だったので、顔が分からない分せめてとの思いでお名前を覚えておいたんです。それから2年後、お客さまの伝票を書いていたときに「このお名前は…!」と驚きました。あのときのお客さまだったからです。オンラインでも買える時代に、わざわざ東京から足を運んで買いに来てくださったことも本当に嬉しくて。当時の心のこもったお言葉が、今でもずっと僕の支えになっています。
英生さんの志と、『阿部梨園』が目指す未来
経営する上で、周りから反対や否定をされることはあるのでしょうか?
やっぱりありますね。ただ否定されたときこそ、「チャンスだ」と考えるようにしています。まだ誰もやっていないことでもあるので。でも、それを実現するための裏付けがすごく大変なんですけどね…(笑)

志が高い英生さんなので、今後の展開も楽しみです!代表として、これから農園をどうしていきたいですか?
パッケージを統一化したいと思っています。複合施設が出来るタイミングで、統一性があって「これが阿部梨園っぽいよね」というようなものを作り上げていきたいですね。
いわば、ブランドのようなものですね!
そうですね。ブランド=信頼だと思っています。お客さまに、「自分が食べたい」を超えて「誰かに食べてほしい(=誰かに贈りたい)」と思っていただくことを目指しています。これもブランドの話だと思うんです。なので、パッケージの統一化、新しい直売所にも力を入れていきたいですね!

守りながら変えていく『阿部梨園』の挑戦は、これからも続いていきます。少しでも興味を持った方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか…!
《阿部梨園》
営業時間:10:00〜15:00
営業日:土、日
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