〈求人〉地域の面白い人たちが集まって話ができる場所を。マイナスをプラスに変えて進化していく『日光珈琲』
目次
みなさん、『日光珈琲』という名前を聞いたことはありますか?
ここは、栃木県鹿沼市。
東武日光線新鹿沼駅から徒歩15分、鹿沼市役所からも近い『根古屋路地(ねこやろじ)』です。
細い路地を進むと、レトロな椅子やポスターが並んでいます。
さらに奥まで進むと…
ありました!
ここが日光珈琲の本店、『日光珈琲 饗茶庵本店』です。
今回は、この『日光珈琲 饗茶庵本店』を創り上げた風間 教司(かざま きょうじ)さんにお話を伺いました。
有限会社風間総合サービスや株式会社ダンナビジョンを立ち上げ、飲食事業や街づくりなどを幅広く手掛ける風間さん。一体、どのようなきっかけから会社を設立することになったのでしょうか?
地域の面白い人たちが集まって話ができる場所を作りたい
都内の大学に通っていたのですが、いわゆるダメな学生でした。卒業後は親に紹介してもらった会社に就職したのですが、自分が何をしたいかも分からない悩みの時期でもあったので入社4ヶ月で辞めてしまいました。その後、「何か違うことをしたい」と彷徨っていた時に鹿沼で新しくオープンするバーの求人を見かけて、そこでアルバイトを始めたんです。当時はお店づくりやメニュー開発にも携わっていましたね。
お店づくりから携わっていたのですね!
そうなんです。それでアルバイトを始めてしばらく経った頃、親に呼び出されて仕事についての家族会議をすることになったんです。その時にドリンクを作ったりカウンター越しに地域の人と話したりすることが面白いと気づいたんですよね。そこで、「自分でお店を開いて地域の人たちが集まって話ができる場所を作ろう」と思ったのが起業のきっかけです。
どうして根古屋路地でお店を開くことにしたのでしょうか?
『日光珈琲 饗茶庵本店』になっているこの場所は親が所有していた中古住宅で、当時はここの2階に住んでいたんです(笑)ふと、「広くて良い物件だなあ」と思ったのでリノベーションしてお店にしようと思いました。夜にアルバイトをしていたので、日中の空いている時間に少しずつお店を作っていって、24歳でお店をオープンしました。
バーでのアルバイトをきっかけに、飲食業の面白さに気づいたと語る風間さん。
現在、有限会社風間総合サービスには以下の4つの事業があります。
1.飲食業
2.コーヒー製造業
3.雑貨販売業
4.各種コンサルティング
風間さんは、カフェという飲食業からどのように事業を拡大していったのでしょうか。
事業拡大とカフェ経営の難しさ
流れです(笑)カフェが徐々に忙しくなって見通しが立ってきた27歳の頃、当時お付き合いしていた彼女との間に子どもができたんです。それならばお店の売上をさらに伸ばす必要があるので、もう1店舗作ることにしました。それから、コーヒー豆を仕入れ先の方と話をした際に、「そんなにコーヒー豆が好きなら自分で焙煎したらどう?」と言われて、焙煎の仕方を教えてもらえることになったんです。そこからコーヒー製造も手掛けるようになって、自分で焙煎したものを販売するようにもなっていきました。
流れや必要に応じて事業も拡大させてきたのですね。雑貨屋さんもやられていますよね?
奥さんが結婚前から「雑貨屋さんをやりたい」という想いを持っていたので、子どもが小学校に入学するタイミングで、宇都宮市で『ソェポェ ルッカ』を始めました。最近、『ネコヤ堂』もオープンしました。
幅広い事業の中でも特に力を入れている事業や取り組みはありますか?
1番はコーヒーに関することですね。カフェを継続して行くためには、そのカフェならではの強みを持ってなきゃいけないですからね。最近では「カフェを開きたい」という方のお手伝いにも力を入れています。
カフェを継続するのは大変なことなのでしょうか?
何年も継続していくのは非常に難しいと思います。コーヒー1杯の単価は安いので、その分多くのお客さんに来ていただいて回転させる必要があります。
それから、お客さんがカフェに求めることって非常に幅広いんですよね。その中でも色々なバランスを取って、総合芸術のようにいかにそのカフェらしくきちんと作り上げていけるかが難しいんです。一方でそれが楽しい部分でもあり、自分のライフワークだと感じています。
カフェを継続していくためには、そのお店ならではの“強み”が必要とのこと。では、日光珈琲の“強み”や日光珈琲“らしさ”とはどのようなものなのでしょうか。
“普通”を超え、マイナスをプラスに変えていく
“誰もが普通に発想するものを超えていくところ”が強みだと思います。例えば、『日光珈琲 饗茶庵本店』はこんな細い路地の奥にあって、中古物件をリノベーションしたお店なんですよね。お店ってお洒落な新築の建物で、通り沿いにあるのが一般的ですよね。つまり、このお店は普通の逆をいっているにも関わらず成り立っているんです。
本当ですね…!『マイナスをプラスに変える』というのは大変なことだと思うのですが、この場所でカフェを経営していく中で生じた課題はありましたか?
周りの人から「こんなところでお店を開いても続かないよ」と言われたり、お客さんから「場所が分かりにくい」と不満を言われりしたことですかね(笑)でも、それをプラスに変えてやってきました。「分かりにくい」と言われたら、「あえて分かりにくくしてるんですよ」と返したり。
お店に来るまで鹿沼を散策しながら迷って、地元の人に場所を聞いたりしたらそこから新しい出会いが生まれますよね。そういう風に発想を変えれば、それがお客さんにとっては面白さになると思うんです。
なるほど~!たしかに面白いですね!そういう発想ができるようになったのはなぜなのですか?
お店を始めたばかりの頃、本当にお客さんが来なかったんです。その時に、「なんで来ないんだろう?」「逆にどんなお店だったら行くんだろう?」と沢山考えていたので、それが要因かもしれないですね。
バーでのアルバイトをきっかけに飲食業の面白さに気づいた風間さんですが、その前から「カフェが好き」「自分の店を持ちたい」という想いは何処かにあったのでしょうか。
1度離れたからこそ気づいた地元の魅力
大学生の頃、友人に誘われて約1ヶ月間中国を旅したことがあったんです。その時に、「隣国なのにこんなに文化が違うんだ」と衝撃を受けました。日本と中国は昔から影響のある国なのにこれだけ文化が違うということは、他国だとどれだけ違うんだろうと思うようになって、他国に足を運びました。その時に土地ごとの良いところも悪いところも知って、意外と日本にも、栃木にも良いところがあるんだと気づいたんです。
今まで何もないと思っていた鹿沼という街も、「意外と面白い人いるよな」「そういう人たちって魅力になるよな」と考えるようになりました。
外の世界を見た時に地元の魅力を再認識したのですね。
そうなんです。それから新しい土地に行く時には、必ずカフェに入るようにしていました。カフェって、その土地の雰囲気をよく表している場所なんです。それをずっと繰り返してるうちに、地元の人や旅人が集まってコーヒーやお茶を飲みながら話をする、その中から何かが生まれるような場所を作りたいと思うようになりました。
なるほど!カフェに行けばその土地のことが分かるのですね。そんな風間さんが思う鹿沼の魅力とは…?
鹿沼は、気を遣わなくていいんです(笑)おせっかいな人たちが多くて、いまだに近所のおばあちゃんに叱られたり。周りとの繋がりが薄れているという時代の中で、そういった繋がりが残っているのは希少で魅力なんじゃないかなと思います。
いまだに近所の方との交流があるって素敵ですね!風間さんはまちづくりにも携わられていますが、まちづくりに関心をもったきっかけは何だったのでしょうか。
近くに便利な宇都宮があることが要因で、鹿沼の奥まったこのお店にはあまりお客さんが入らなかったんですよね。そこで、このお店に来てもらうためにはこの街全体を魅力的にする必要があると考えたんです。そのために『日光珈琲 饗茶庵本店』というお店だけでなく、もっと色々なお店が増えたらいいなと思い、それが結果としてまちづくりに繋がりました。
まずは「自分のお店にお客さんを呼びたい」というところから始まって、「そのためには鹿沼をより良くしないと」と考えたんですね。
有限会社風間総合サービスだけではなく、様々なことに携わっている風間さん。その中で変わらずに大切にしている想いについてお聞きしました。
『場所・仲間・事づくり』に対する変わらない想い
有限会社風間総合サービスの理念が『地域の資源を活かした文化創造業』なんです。そのために、『場所を作る』『仲間を作る』『事を作る』の3つを行っています。場所と仲間を作って、そこでみんなでやる事を作るということですね。やることやものは時代によって異なるのですが、その3つは軸として変わらないです。
良いですね…!風間さんがお仕事をされてる中で、1番大変だったことはどんなことですか?
その時は大変なんだけど、最終的には忘れてしまうんですよね(笑)大変だと思ったらそれはやらずに、その代わりになる違う方法を考えることに力を使ってきましたね。ただ、お店をオープンして今までコツコツやってきたことは「よくやったな」と思いますね。
働いていて「楽しい」「嬉しい」と感じることの方が多いのですか?
そればっかりですね。周りから「本当に楽しいことしかやってないよね」と言われるくらいです(笑)大変なことや辛いことがあった時には1人で溜め込まないで、みんなで共有してきたんです。「やばいぞ!」「どうする?」と言いながらも笑っていましたね。
最終目標は、『小さな屋台を開くこと』だと話す風間さん。
お客さん一人ひとりと向き合って、話ができる場所を作りたいという想いがあるそうです。
やわらかく、あたたかい。そんなお二人に聞く現場の声
そんな日光珈琲では、現在ともに働く仲間を募集しています。
風間さんは「やる気・熱意のある方を待っています!」と仰っていました。
ここまで読んでくださった方の中には、日光珈琲に興味を持った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、いきなり求人に申し込むのも勇気が要りますよね。
そこで、実際に『日光珈琲 饗茶庵本店』で働いている山口 わか葉(やまぐち わかば)さん・細川 いずみ(ほそかわ いずみ)さんにお話を伺いました。お二人は正社員として接客や調理等のカフェ運営業務全般に携わっています。
お忙しいところお話を聞かせていただけるということで、ありがとうございます!早速ですが、お二人はどうして日光珈琲で働こうと思ったのでしょうか?
大学では食文化について学んでいて、1年間編入学をしてお菓子の専門学校にも通っていました。その中で、裏で作るだけではなく表に立ってお客さんと関われる仕事にも魅力を感じていたので、どちらもできるような仕事を探していました。カフェが大好きだったこともあり、就職先としてカフェを考えていた時に、以前お客さんとして来た時にいいなと思っていた日光珈琲が頭に浮び、ちょうど求人情報が出ていたので応募しました。
理由は3つあります。「大学生の時に日光の空気感にハマってしまい、いつか日光に住んでみたいと思っていたから」「自分でお店や居場所を作りたいと思っていたから」「震災を機に、住んでいる人たちが幸せに生活していける場を作るために自分は何かできるだろうか?と考えていた際に風間さんが思い浮かんだから」です。
大学でまちづくりについて学ぶゼミに所属していたので、以前から風間さんのことは存じ上げていたんですよね。もし風間さんのところで働くことができたらカフェの仕事もできるし、コミュニティビジネスにも触れられるかなと考えて応募しました。
お二人にとって日光珈琲は働く上でふさわしい場所だったのですね。働いていて「楽しいな」と感じる瞬間はどんな時ですか?
入社してから何度も練習したコーヒーを安定して淹れられるようになって、お客様から「美味しい」と言っていただいた時ですね。それから常連さんとの距離が縮まると嬉しいですし、何度も利用してくださっているお客様を見つけた時には「居心地の良い空間を提供できているんだな」と感じて幸せです。
「美味しかったです」「また来ます」と言ってもらえた時はやっぱり嬉しいですね!
お客さんと話す機会は多いのでしょうか。
日光市にある『日光珈琲 御用邸通』にいた頃は観光客のお客さんが多かったんです。「旅の思い出として日光珈琲や店員との会話が残ればいいな」という想いでお客様とお話したり、この建物がどのような場所だったのかなどについて話したりしていました。
働く上で大切にしていることや意識していることはありますか?
毎日楽しく働くことです。好きだからこの仕事に就いたので、楽しさは忘れたくないと思っています。それに、お客様に「居心地良いな」と思っていただくためにも、自分たちが楽しみながら働くということはとても大切なことだと感じますね。
楽しく働くために何か工夫していることはありますか?
スタッフ同士で仲良くすることはもちろん、技術も大切になってきます。毎日安定した味のコーヒーを淹れられるように自分自身の技術向上にも力を入れていて、それも楽しさにつながるのではないかなと思っています。
“常に見られている”という気持ちで働くようにしています。それから、スタッフの働き方も含めてお店だと思っているので、食事やケーキ、コーヒーからだけでなく、スタッフの私たちからも「このお店、良かったな」と思ってもらえるように働いています。
働く上でのこだわりや工夫が垣間見れて素敵です!最後に、お二人はどんな人と一緒に働きたいですか?
どんなことでも楽しめる人です!毎日同じ仕事の繰り返しなので、その中で「なんでも楽しもう」と思える方と一緒に働きたいです。
難しいことや大変なこともあるけど、そういうことでも「自分のスキルアップにつながる」と前向きに捉えて頑張れる人が来てくれたら嬉しいですね!
「地域の面白い人たちが集まって話ができる場所を作りたい」という想いから始まった日光珈琲。
実際にお店を訪れて、他のカフェにはない、地域に根づいた温かなカフェだと感じました。
風間さんとお話する中でも、事業に対する熱量や鹿沼の魅力がひしひしと伝わってきました。これからも日光珈琲を見かける度に風間さんのことを思い出し、「自分も頑張ろう」と鼓舞するのだと思います。
少しでも興味を持った方は、風間さんや素敵なスタッフの皆さんと共に働いてみませんか?
栃木県内に6店舗を構える日光珈琲やネコヤ堂、その他の店舗にもぜひ足を運んでみてくださいね*
『日光珈琲』店舗・HP・SNS情報
『日光珈琲 饗茶庵本店』
住所:栃木県鹿沼市上材木町1737
電話番号:0289-60-1610
営業時間:12:00 ~ 21:00(火曜・土曜日は12:00~18:00)
定休日:日曜・月曜・祝日
駐車場:有。
公式HP:http://nikko-coffee.com/
Facebook:https://ja-jp.facebook.com/nikkocoffee/
Instagram:https://www.instagram.com/nikko.coffee.kyochaan/
Twitter:https://twitter.com/kyochaan
募集要項
求人職種 | カフェスタッフ |
業務内容 | カフェ運営業務全般(コーヒー製造、卸販売業務、雑貨仕入れ、商品企画、イベント企画・運営) |
雇用形態 | ①正社員 ②パートタイム |
給与・月給 | ①月給 180,000円~(経験・能力により応相談) ※固定残業手当有(時間外労働の有無に関わらず、16時間分の時間外手当として20,000円を支給) ※16時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給 ②18歳以上 時給950円~ |
勤務地 | ①②日光市・鹿沼市 |
勤務時間 | 9:00~19:00(シフト制) |
休日・休暇 | 月6日(平日)、冬期休暇、慶弔休暇、有給休暇 |
福利厚生 | ①昇給:年1回、賞与:実績により年1回、健康保険、雇用保険 、厚生年金加入 |
採用予定人数 | 若干名 |
応募資格・条件 | ・18歳以上 ・普通自動車第一種運転免許証保有 |
応募方法 | 日光珈琲HPより:http://nikko-coffee.com/archives/721 |
応募書類 | 履歴書 |
選考方法 | 書類による審査、面談による審査 |
お問合せ先 | nikko.coffee.kyochaan@gmail.com |
備考 | |
メッセージ | 私たちが今行っている事業はそこにないものを5年後、10年後の未来をみて今必要だからつくる。種まきのようなものです。種をまいたからといって決して安定した成長が待っているものでもありません。常に試行錯誤し苗を育み、ときには失敗をし、辛い時も自ら成長し、仲間たちと時を重ねてその地域にあったより良い品質のものを作り出す。言うなればそんな事業です。だからこそ、いろいろな視点からチャレンジができ、やりがいのある仕事ができるのかもしれません。コロナ禍を経た今、新たな歴史を紡げる仲間を募ります。 |
お問い合わせはこちら
⇒メールアドレス:nikko.coffee.kyochaan@gmail.com
興味を持った方、ここで活動してみたい!働きたい!と思った方は、ぜひお気軽にご連絡ください。ご連絡いただく際に、「あしかもメディアの求人情報を見ました」とお伝えいただけますと嬉しいです。