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インタビュアーをインタビュー!『合同会社OQUYUKI』代表・中田 達大さんが語る、”さみしさ”と”出会い”

みなさんこんにちは!あしかもメディアでライターをしております、溜口です👏

今回は、『合同会社OQUYUKI(オクユキ)』代表の中田 達大(なかだ たつひろ)さんにインタビューさせていただきました!

『合同会社OQUYUKI(オクユキ)』代表の中田 達大(なかだ たつひろ)さん

中田さんは、那須塩原市を拠点に活動するインタビュアー。人や組織が持つ目に見えない“奥行き”を、インタビューを通して資産に変える取り組みをされています。

学生時代のこと、インタビュアーになるまでの道のり、そして独特な死生観まで。約1時間、たっぷりお話を伺ってきました。

工学部から統計学へ、そして本屋へ

まずは、中田さんのこれまでの経歴を教えてください!

1990年生まれ、愛知県で育ちました。18歳で地元を出て、仙台にある東北大学へ進学。修士課程を終えて、新卒で『カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社』に入りました。TSUTAYAやTポイントを企画運営している会社ですね。2021年に那須塩原市に移住してきて、そこからインタビュアーとして活動しています。

大学時代はどんな研究をされていたんですか?

工学部で、機械航空系の学科に入りました。最初はセンサーを使って地雷探知機に関しての研究をしていたんです。
でも、向いてなかったんですよね(笑)周りは飛行機オタクや車オタクばかりで、「この人たちには勝てないな」と。その後大学院では統計寄りのデータを分析する方向に進みました。

そもそも、大学院に進んだ理由は何だったんですか?

かっこ悪い話なんですよ。
大学3年が終わってから1年間休学して、バックパッカーで世界一周をしたんです。帰ってきたらもう大学4年で、就活じゃないですか。でも、「自分には何にもないな」って思ったんですよ。
だから一言で言うと、就活にビビった(笑)あと2年あれば何か変わるかもしれない、もうちょっと真面目に勉強してみよう、と。

まさかの理由に、思わず笑ってしまいました(笑)でも、こうして正直に話してくださるところに、中田さんの人柄が表れている気がします。

”日本一面白い本屋”に惹かれて

当時の就活の軸は、本屋だったんです。それだけです。
東京にある代官山蔦屋書店に行った時に「日本で一番面白い本屋を作っているのはここだ」と思っていました。本を売るだけじゃなくて、カフェがあったり夜な夜なトークイベントが開かれていたり。「こういう場を作ってみたいな」。そう思いました。

原動力は”さみしさ”

なるほど!ここから少し子どもの頃お話も聞いてみたいのですがズバリ幼少期はどんなお子さんだったんですか?

内向的な子どもでしたね。公園で遊んでいても、誰かが入ってきたら帰る、みたいな(笑)石や虫を標本にして集めたり、ウルトラマンの怪獣を全部暗記したり。今でも人前で話したり、目立ったりするのはめっちゃ苦手です。

そこから人と関わるようになったきっかけは?

やっぱり、海外に出てみたことが大きいです。
海外で出会った人たちは、それぞれ自立しているけれど、お互いを尊重していて、時々一緒に遊ぶ。そういうカラッとした関係性の中で、自分がありのままでいられたんですよね。そこから、だんだん人に興味が湧いてきました。

中田さんの活動の原動力って、どこにあるんでしょう?

怒りみたいなものは、僕の中にはあまりないんです。どちらかというとさみしさですね。人間って一人で生まれてきて、結局は一人ひとり別の存在だから、完全には分かり合えない。そのさみしさが、小さい頃からずっとあるんです。

なるほど!逆に喜びを感じるのはどんな時ですか?

真剣に話せている時です。学生の頃って、真面目な話をすると「何真面目になってんの?」ってなるじゃないですか。大人になっても、飲み会で急に会社の話をすると水を差しちゃう。でも僕は、仕事のことでも、人生のことでも、死のことでもいい。そういう話を誠実にできている時が、一番嬉しいんです。

世界一周最終日に見た”走馬灯”

死について考えることも多いのですか?

人の人生に耳を傾ける仕事のため、「生きること」「死ぬこと」は自然と考えてしまうかもしれませんね。「僕はどう生きたいのか?」を、他者の話を聴きながらいつも自分に問いかけている気がします。人は「遅かれ早かれ」いずれ人生を終えます。だからこそ、生きている間に「誰と」「どんな思い出をつくるのか」を大切にしたいと僕自身は最近思っています。

そう考えるようになったきっかけはありますか?

世界一周の最終日です。ペルーの安宿でこれまでの旅を振り返りながら日記を書いていたら、出会った人たちの顔が走馬灯みたいにファーっと出てきたんです。
めちゃくちゃいろんな景色を見たはずなのに、景色は全く出てこなくて。出てきたのは、一緒にご飯を食べたあの瞬間とか、一緒にバスに揺られていたあの時間とか、全部“人”だったんです。
その時、「死ぬ瞬間はきっとこういう映像を見て死ぬんだな」って直感して。「この映像のために生きよう」って思ったんです。

そこから、人との関わり方も変わったのですね!

変わりましたね。一つひとつの出会いを、こんなに大切にするようになるとは思っていませんでした。

”自分”という存在については、どう捉えていますか?

自分って、たまたま何かが集まって“僕”に見えているだけ、という感覚なんです。風の通り道みたいなもので。インタビューでいろんな人と関わっていると、自分と他者の境界が曖昧になっていく。でもそれが、僕にとっては心地いいんですよね。

正直、ここまで深いお話を伺えるとは思っていませんでした…!人との出会いを何より大切にする中田さんの考え方の根っこに、少し触れられた気がします。

インタビュアーとして再出発、そして『合同会社OQUYUKI設立へ

那須塩原に移住してから、インタビュアーになるまではどのような道のりだったのですか?

移住して最初に就いた仕事は諸事情で半年ほどで辞めることになりました。
みんなに「頑張ってくるね」って言って東京を出てきたから、戻ることも考えづらくて。でも、ハローワークで求人を見てもピンとこない。
その時にふと、「前に自費出版でインタビューの本を作ったのが楽しかったな」と思い出したんです。

それでインタビュアーに!

「1年間だけ挑戦させてくれ。ダメだったら会社員に戻るから」と妻に言って、2021年に個人事業主として独立しました。
そこから、人の話を聴くサービスを手がける『エール株式会社』でも事業メンバーとして関わりながら、4年くらいかけて2025年4月に『合同会社OQUYUKI』を設立しました。

会社にするまで4年かかったのですね。

自分が会社を立ち上げることに対して、覚悟が決まってなかったんだと思います。
でも4年やってきて、やっぱり「インタビューでチャレンジしてみたい」と。インタビューの際にその人が表出する内的な”資産”を発信していって影響を受けた誰かの中に何かが生まれる。こうした循環の中でインタビューの文化がもっと面白いものになったらいいなと思ったんです。

設立後は、若者の起業支援プログラム『iDEA→NEXT2025』にも参加されていましたよね。

はい。起業したばかりの僕には、ぴったりのプログラムでした。
得たものを一言で言うと、出会いです。運営のみなさんはもちろん、プログラムをきっかけにつながった人がたくさんいて、今も一緒にラジオをやったり、インタビューし合ったりしています。本当に感謝していますね。

”奥行き”を資産に変える

では、事業として具体的にどのようなことをされているのですか?

人や組織には、それぞれ“奥行き”があると思っていて。目に見えないストーリーとかビジョン、考え方、スキルとか。
それって、何もしなければ漂っているだけで、形には残らないんです。でも、インタビューを通して1時間語ってもらい、音声として残しておけば、1年後も誰かが聞けるかもしれない。奥行きを“資産”にできるんです。

その資産の使い方もいろいろありそうですね!

例えば、採用候補者に向けて社外向けのポッドキャストを一緒に作ったり。
社内ラジオとして、社長が考えていることや、ベテラン営業さんの技術・スキルを音声で残しておくのもいいと思います。翌年に入社した人がそれを聞いて、会社のカルチャーを理解するのに役立つかもしれないし、社員のご家族が聞いて「お父さんがやろうとしていること、ちょっと分かった」と思えるかもしれない。

使い道がどんどん広がっていきますね…!

『合同会社OQUYUKI』と中田さんの未来

今後、どんな未来を思い描いていますか?

実は、あまり想像はしていないんです。
目標を決めて山に登っていく”山登り型”と、流れに身を任せて進む”川下り型”の人がいるらしいんですけど、僕は完全に川下り型ですね。
3年前の自分が思い描いた世界に本当にたどり着いちゃったら、たぶん結構がっかりすると思うんです。「世界って自分の想定を超えないのか」って。偶然を楽しみながら、どこかにたどり着きたいですね。

『合同会社OQUYUKI』と中田さん自身の関係は、どんなものなんでしょう?

今は、ほぼ一体化していますね。
日々生きていると、日常のあれこれを考えたりするうちに自分の本来の願いは見えなくなってくるんですけど、おそらくそこには自分がずっと抱いているさみしさと無関係でないように思います。さみしさがあるからこそ、人と関わりたいと願っているのかもしれません。そんな一番ピュアな自分の願いが、OQUYUKIで表現されていくのかなと思っています。

最後に、若者たちへのメッセージをお願いします!

「自分って何だろう」って悩んでいる人は多いと思うんです。でも、一人で悶々と悩むくらいなら、100人の人と話してみた方がいいと思っていて。他者を知ることで、結果的に自分のことをもう少し知れるかもしれないし、もしかしたら「自分なんてなかった」ってなるかもしれない(笑)人と関わると傷つくのが怖いかもしれないけど、人間って意外と大丈夫なんですよ。大丈夫、大丈夫。

穏やかな語り口の中に、人との出会いや”さみしさ”に真っすぐ向き合う芯の強さを感じたインタビューでした。

「100人と話してみた方がいい」という言葉は、同じ若者として、とても胸に響きました。私も、もっといろんな人と話してみようと思います!

中田さん貴重なお話を本当にありがとうございました!!

那須塩原を拠点に活動するインタビュアーで、『合同会社OQUYUKI』代表の中田達大さんにインタビュー。工学部から世界一周、インタビュアーとしての再出発、“奥行き”を資産に変える取り組みまで伺いました!

会社のHP
https://oquyuki.com/

note
https://note.com/kuutkul